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2017年04月20日15:24

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神さま、仏さま (台湾旅行記 その3)

台北の街を散策するのも楽しいものです。

台北は、首都ですので、行政の中心となる地区は、様々な官庁や国威発揚のための建造部がある一方で、ちょっとそれを外れるととても庶民的な街並であふれています。そういういかめしい建物があるだけに、権威主義とのコントラストで庶民性の色彩感が増すという面があると感じました。

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私たちが、訪ねたのは台北にある多くのお寺のなかでも随一と言われる古刹・龍山寺(ロンシャンスー)。

歴史は古く、福建省にある臨済宗関元寺の末寺として300年近く前に創建されたもので、福建泉州から移住してきた人々の心のよりどころとして親しまれてきたとのこと。

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とは言っても、古さをありがたがる日本の古寺古刹というイメージとはまったく違っていてなんだかお祭りでもやっているのだろうかと思うほど人々で賑わい、極彩色の建物が連なっていて絶えずお香の煙でけぶっています。

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いわゆるゆるキャラのような大きな人形灯籠が入口の左右に飾ってあるのも、いかにもという風景です。

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本尊は観世音菩薩ですが、台湾の寺社というのはいわば仏神混淆となっていて、前方の本殿と回廊のようにつながっている建物の奥に「後殿」があって媽祖を中心に関聖関帝などが祀られていて仏教と、土俗的な信仰とが一体となっています。

日本もかつては、同じように仏教と土俗的な神祇信仰が混淆していて、いわゆる神仏習合が当たり前でしたが、明治維新期の廃仏毀釈で徹底的に仏教古寺が廃され、神仏分離が行われました。こういうことは人々の心の中から発したものではなく、いわゆる幕末の「王政復古」思想と軌を一にするもので国家神道という政治的な動機によって扇動されたものであったことを私たち日本人は忘れてはなりません。

例えば、高野山金剛峯寺の鎮守社は丹生都比売神社(天野社)ですが、近年、長らく廃止されていた両者一体となった法会を復元する動きがあって「混合曼荼羅」の声明と鎮守神の祭礼としての「舞楽」を同時並演するという試みもなされています。

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龍山寺では、人々が熱心に灯明を捧げお香を焚き、くじ引きを引いて願掛けをしたり、あるいは幾束もの紙幣(偽札)を炉に投げ込んで先祖のあの世での多幸をお祈りしています。なんだかとても現世利益で浅はかな信仰心のようにも見えますが、かえって日本の葬式仏教よりはずっと庶民の信仰心の篤さが伝わってきます。それもこれも俗っぽいように見えるかもしれませんが本来の祭祀と仏教の教えとが離れず一体となって信仰されているからこそ台湾の人々の篤い信仰心が保たれているのだという気がしてきます。


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龍山寺の近くには、西門紅楼があります。

ここはもともとは日本統治時代の建物でちょっと東京駅を思わせるような八角形の赤レンガの建物です。残念ながら外壁工事中で建物の外観は楽しめませんでしたが、中はちょっとしたロフト風のモダンなショッピングモールになっていて様々なノベリティのショップになっています。ちょうど最近新しく出来た東京・秋葉原の高架下の商業施設のような雰囲気。

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台北に限らず、台湾はこうした日本統治時代の施設や建造物をそのまま残して、現代に生かしています。歴史を決してネガティブに否定することはせずに記念物として残すとともに現代流にアレンジして活用しているというのが台湾流。それがまた日本人のレトロな懐古趣味を刺激してくれて観光の魅力ともなっています。

(続く)


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