先日の週末は大阪弾丸ツアー。
その目的は、マイミクさんの椀方さん訪問でした。
椀方さんとは、東京へ単身赴任されていた時代に、出水電器の西蒲田試聴室で知り合いました。前回、ご紹介したオーディオ専用幹線工事のお仲間というより大先輩にあたります。その後、単身赴任解消ということで帰阪されたこともあって相互交流オフ会が実現しないままのおつき合いとなっていましたが、今年になって東京出張の機会に拙宅にご来臨の運びとなりました。今回は、私が大阪のほうへ出向くことになったというわけです。
椀方さん宅は、千里丘陵の豊かな環境に囲まれた静かな住宅街にあるマンション。新築の直後に阪神大震災に出会い壁面などに多少のひびは入ったものの全体構造はびくともしなかったそうです。1階の便利なところでありながら眺めがよく緑のプラッター類が並ぶベランダや広いリビングにしつらえたオーディオセットとお洒落でくつろいだ雰囲気のスペースは、椀方さんのブログでもおなじみ。初めての訪問という気がしません。
椀方さんは、昨秋、長年にわたって愛用されていたインフィニティ(Refarence Standard 2.5)のスピーカーに換えて、あのユニコーン(German Physiks)を導入されたばかり。ユニコーンといえば、GRFのある部屋さんやUNICORNさんのところで衝撃の出会いがあって、その後も何度も聴かせていただいてその度に驚きと感動を味わってきた奇跡のようなユニット。今回の訪問の目玉は、新規に導入された椀方さん邸でどのように鳴っているか、実際に体験してみたいということがあったのです。
German PhysiksのDDDユニットは、360°全周に放射するユニークなもので驚異的な空間ドライブと広帯域を誇りますが、さすがに300Hz以下の低域までドライブするのは難しく、しかも、低域側がDDDユニットの高速性に追従する高性能なシステムが求められるという点で難しさがあります。ユニコーンは、それをシングルユニットと綿密に設計された極めてユニークなローディング構造を持ったキャビネットによって十分な低域を確保した奇跡のようなシステム。それだけに、コストがかさみGerman Physiksは、カタログから撤回してしまっています。現在は、キャビネットを小規模にした別ものというべきMk�兇靴�カタログに載っていません。
椀方さんのユニコーンは、オリジナルの改良型ですが、2年ほど以前に日本に輸入された最後のロットのもので、それが未開梱で手つかずで所蔵されていた新古品。これを入手できたこと自体も奇跡のようなものです。
さて、いよいよ音出し。
やはり、空間の拡がり、自然なリアリティは、ユニコーンそのものです。最初は、YMAHAのHDDプレーヤでCD再生です。グリモーのブラームス・コンチェルトもふっくらとした空間音場のなかにくっきりとオーケストラが展開します。これとHAP-Z1ESでの音出しの比較ですが、やはり、音の滑らかさや触感の実在感というところではHAP-Z1ESのほうが勝るようです。
ベルリン・フィルのデジタルコンサートホールも鑑賞しました。やはりグリモーのソロで、ベートーヴェンの四番のコンチェルト。ゲルギエフの指揮ぶりがどこか行儀がよいのが不思議なくらい(笑)。ソニーのBRAVIAで直接デジタルコンサートホールの取り込みが可能だそうで、PCはレジストレーションの手続きだけ。音声信号は、TVから光ケーブルで直接DACに取り込むそうです。画像が音に遅れるようなこともありません。さすがデジタルコンサートホールの協賛社のソニーです。ここまで出来るとは知りませんでした。
椀方さんに自身は、まだまだ低域に不満だとのこと。インフィニティのほうがずっと低域の量感が豊かだったそうです。確かにお聴かせいただいていると、低域不足の傾向が感じられ、ユニコーンを広い部屋で鳴らすことの難しさを感じます。先達のお二方はいずれも、8畳前後の狭いリスニングスペースで、ユニコーンの旨味を引き出すことに成功されているのです。DDDユニットは、エージングに時間がかかることも事実で、特にエッジ部がクリティカルでここのコンディションが単純ピストン運動領域である300Hz以下の低域の量感と質感に直結しているとのこと。エージングには1年ぐらいの覚悟と根気がいるそうです。
低域の量感不足というのはその通りなのですが、個人的には低域不足というより高域が目立ち過ぎるという印象も持ちました。ちょっと高域に付帯音というのか華やかさのような「演出」を感じてしまうのです。ここが、後々、とても気になったのですが…
実は、ここからは、帰京してからのお話し。
椀方さんも、私の顔つきを見て気になったのでしょう。先達に相談したりして原因解明に取り組んだそうです。その原因とは、スピーカーケーブルでした。
インフィニティでは、早々にラダー型ケーブルに交換されてその音の素晴らしさを堪能されておられたとのこと。ユニコーン導入に際しては、そのラダー型を継承したのですが、長さの関係でアッテネーターボックスとスピーカー本体の方にラダー型を使い、本来はここをつないでいた純正ケーブルのほうをボックスとアンプの間につないだとのこと。これが仇になったそうです。
ユニコーンは、ユニットの高域(分割振動領域)と低域(ピストン運動領域)とのバランスを取るためにアッテネーターが入っています。オリジナルではこれがキャビネット内に取り付けられていましたが、最終改良型ではこれを外付けにしてコストダウンとキャビティ増量の一石二鳥をねらったのです。従って、外付けボックスと本体の間をケーブルで接続する必要が生じました。この接続部分は、内臓型と同様に純正ケーブルでバランスを取っているので、これをラダー型としたことでバランスを崩したのでした。
アッテネーターというのは私の勝手な呼び方ですが、ネットワークのように周波数特性を持たせていて高域は8KHz、低域は60Hzを中心にして、-2dB〜flat〜+2dB〜+3dBなどと切り換えられるようになっています。回路構成は不明ですが、当然、RばかりではなくLやCが組み込まれているのでしょう。ラダー型ケーブルというのは、絶縁シース部分が分割されて、しかも、コールドラインにアースされる構造になっています。ボックス部分のアースが浮かせてあったり、コールドが入出力でオープンになっていれば、ラダー型の本領は発揮できず、場合によっては閉回路になってしまってLCRと干渉する可能性もあります。そういうことが起こっていたのではないでしょうか。
昨日、椀方さんからメールが届きました。
「今の音を聴いてほしかった!!」
椀方さん、また、お伺いします(笑)。
さて、この後、椀方邸訪問のもうひとつの目的が…
(続く)
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