さながら熟成したワインを味わうかのように、馥郁と香り立つ薫りと複雑な味と舌触りを堪能するような感動が拡がりました。トリオ・ヴァンダラーは、数少ない常設ピアノ三重奏団。しかも1988年のミュンヘン国際コンクールで最高位を獲得して以来、不変のメ
次期英国ロイヤル・オペラハウス音楽監督のヤクブ・フルシャが、7年ぶりに都響を振る。しかも演目は、彼のご当地のオール・チェコ音楽。都響の首席客演指揮者として日本のファンに評判だったのに聴く機会を逃していたので、これは聴き逃せないと池袋に足を運
ピノックの指揮にはもともとあまり良い印象を持っていなかった。それが、コロナ禍で遅れていた首席指揮者就任記念コンサートで素晴らしいスタートを切ってくれたとほっとした思いだったのだけど、再び、不安に突き落とされたような気分。何よりも音楽が楽しめ
音楽評論家・片山杜秀の伊福部への愛はただなるものがある。小学生の頃に観た怪獣映画の音楽に魅せられ、大学三年の時に世田谷・尾山台の伊福部邸を初めて訪ねて以来、まるで入り浸るようにして40年以上も作曲者との対話を続けたという。「自伝」の下書きの
清水和音さんがプロデュース、出演、司会の三つをこなすシリーズ。今回の皆さんは、いずれもこのシリーズへの出演経験はありながら四重奏での共演は初めて実現するそうです。そもそもピアノ四重奏というのはありそうでいて、あまり聴く機会がない。聴いてみる
とても楽しみました。このプロダクションは、2011年のもの。当時、新進気鋭のダミアーノ・ミキエレットの斬新な演出が話題となりました。いわゆる読み換えもので舞台はナポリではなく、キャンプ場。当時は、せっかくモーツァルトなのにキャンプ場のキャピ
キュレーション(展示企画)の視点というのが実に新鮮。「核」というのは、大量破壊兵器にせよ原発にせよ、互いに相容れない二元対立のイデオロギー論争になりがち。著者の専門は、美術・デザイン研究であって、政治論、戦略論、核物理・工学とはまったく無縁
ちょっと考えさせられてしまった。日本で最も歴史のある作曲賞である「尾高賞」。毎年の受賞曲発表は、かつてはN響定期で行われていた。保守的なN響定期会員には現代音楽がなじみにくく、80年代に特別演奏会が別途開催されるようになり、この「Music Tomo
お目当ては、タイトルロールの中村恵理。世界で通用する数少ない日本人歌手のひとり。一昨年のプロダクションの再演だけど観るのは今回が初めてでした。中村恵理の歌唱と演技は、期待どおり。でも、出だしが難しい。中村は、一貫して繊細、可憐で、芯は強いが
「光源氏」の世界をまずは知っておきたい、何かすぐに読める本はないか、という向きにも絶好の書です。和歌というと、かえって尻込みしてしまう…かもしれませんが、ところがどっこい、「光源氏」入門に絶好の書です。著者は、津田塾大学教授。古典文学だけで
GW中の交流でアドバイスをいただいたことを実践してみたというお話しの「その4」です。そもそもは、この1月にお訪ねした涌井さんのお宅で知った「魔法の箱」です。増殖する一方でしたが、どうやら落ち着くところに落ち着いた…。ところが、ベルイマンさん
GW中の交流で見聞したことを実践に活かすというお話しの「その3」です。PCオーディオにも詳しく音にうるさいHarubaruさんが振動対策に加えてもうひとつ力説したことは、HDDのフォーマット。普通は、デフォルトのNTFSですが、exFATの方が音が良いとい
GW中の交流で感じた反省を実践に活かすというお話しの「その2」です。PCオーディオにも詳しく音にうるさいHarubaruさんが力説したPCの振動対策。何しろ、こと手のひらサイズのPCに振動対策は意味がないと思い込んでいただけに、MiniPCの下にあてがっ
GW中にオーディオ仲間の友人と交流して、楽しみました。楽しんだだけではなく、いろいろ勉強にもなりました。GW後は、その学習をいくつか実践に活かしました。先ずは、SACD対決で学んだこと。それは、DSDからPCMに変換するソフトで音が違ってく
ルイージの快演が炸裂!素晴らしい名演でした。何しろレスピーギの“ローマ三部作”。加えて、ルイージ自身が世界初演した現代イタリア作曲家の日本初演も組み合わせての“オール・イタリア”もの。しかも、いずれも色彩豊かな大編成の管弦楽曲。盛り上がらな
Vafan邸は何度もお伺いしていますが、今回はちょうど1年ぶり。その違いに、驚くというか、感動さえ覚えました。Vafanさんは、そのHNの通りで Vienna Acoustics のFanです。ウィーン・アコースティックスといえば、音楽の都ウィーンで培われた音楽性。その
ベルイマンさんをお迎えして、SACDディスク再生とPCファイル再生とのガチンコ比較試聴をしました。ベルイマンさんは、防音の専用AVルームで4chのサラウンドシステムで爆音で聴いておられる。ちょっとした辛口マニアでけっこう歯に衣着せないコメント
久しぶりににらさんを訪問しました。にらさんはちょっと思うところあって、オーディオシステムを一新。断捨離とまではいきませんが、機材をいったんは処分。そこから心機一転、シンプルなシステムを再構築。新システムの主役は、ムジークのスピーカー。あの坂
「願はくは花の下にて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月の頃」中世を生きた歌人・西行の歌は、近現代日本人の心を捉えて、どこまでも離さない。源平の乱の時代、生まれ落ちたのは公家に使える武士でありながら若くして出家し、生涯を漂泊の旅に生きた。仏
川口成彦さんの紀尾井ホールでのレジデント・シリーズもあっという間で、もう最終回。古楽器という枠にはめられがちのフォルテピアノやヴィンテージピアノから、思いも寄らぬような多彩なプログラムに挑んで私たちを驚かせ、楽しませてくれたシリーズでしたが
ヴィオラのファン、あるいはヴィオリストのファンにとってはこんなうれしい日はありません。「100% ヴィオラの日」!佐々木亮さんに言わせると、ヴィオリストというのは謙譲の美徳なんだそうです。(ヴァイオリニストのように?)一番を争わない。今日の第1
東京・春・音楽祭2024も千秋楽。その掉尾を飾るにふさわしい素晴らしい公演でした。オーケストラの壮大にして華麗な音響が、大ホールの空間全体に響きわたる。いささかクールなこのホールを鳴らしきるのは、外来の、しかも世界トップクラスのオーケストラ
まさに魔術師。まず、そのプログラムのトリッキーなこと。自身が指揮振りする協奏曲二曲と管弦楽曲との組み合わせですが、そちらは指揮なし。実は、そういう構成は、初登場の前回とまったく同じなのですが、今回もすっかり欺されました。その二曲に、祖国ポー
隈研吾といえば、今の日本人の建築家のなかでおそらく最も多忙な人だろう。本書は、そのひとが八年かけて書いたという。日本の建築が、西欧の様式建築やモダニズム建築と出会って150年。それ以来の建築家たちの覚醒、葛藤や迷い、自己矛盾、変節を、忖度な
日本語はあいまいな言語だとよく言われる。「世にもあいまいなことば(=日本語)・の秘密」という題名を一見して、日本語という言語のもつ特有のあいまいさを言語学的に解明しようという本だと思い、手にしてみた。ところが読み始めてみるとそうではない。「
平安時代は400年も続いた。桓武天皇が平安京に遷都してから藤原道長が摂政関白太政大臣の頂点に立つまでには約200年の時が流れている。私たちは平安時代といっても、前半の200年のことは何も知らない。本書は、そのあまり知られていない「平安前期」
真面目なようでいて、ちょっと不真面目なエッセイ。緩くて、自然で、それでいてとても深い。ようは、ものごとをじっと観察して、なに、なぜ、なんだろうと考えてみよう。そういう子どものような「なぜ」を誰も止めてはいけないし、止めることもできない。純真
ブルージュ国際古楽コンクールの覇者のスクシェチュコフスキのチェンバ・ロリサイタル。文字通りの大型新人。2001年生まれのミレニアム世代で身長は194cmだそうだから、間違いない。名前が覚えられていないということでも新人の要件を満たす。その舌を噛
地味な存在ながらいつも感服させられるのがこの人。日本人として、間違いなく最も数多く聴いているピアニストのひとりになるのですが、思い返せばいままで一度もソロを聴いていない。今回は、ソロが聴ける。しかも、バッハ。そして、またしてもやられました。
今年の東京春祭の東京都美術館でのミュージアムコンサートのテーマは《フランス》。アメリカ・ボストンのウースター美術館所蔵の「印象派」コレクションの展示に連動したもの。その掉尾を飾る第4回目のコンサートは、ヴィルタス・クァルテットが登場。先行し