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2015年05月03日21:11

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book『水滴』(目取真俊)

続いて目取真俊著『水滴』(文藝春秋)を読んだ。目取真さんの講演は聞いたことがあり、政治評論の文章は読んでいるが、小説ははじめてだった。ある日、主人公の右足が腫れて水があふれ出た。夜な夜なそれを飲みにくる死んだ兵士たち。沖縄を舞台に過去と現在が交錯する「水滴」の世界はラテンアメリカの小説群の魔術的リアリズムを想起させた。(「水滴」は芥川賞受賞作品)他に風葬場の洞窟に残る髑髏が語る沖縄戦の秘話「風音」、架空の書評形式をとった沖縄のパロディ「オキナワ・ブック・レビュー」の3編で、大変おもしろかった。これからも目取真さんの小説を読んで見ようと思う。
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