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2015年05月20日07:16

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book『あなたは、誰かの大切な人』(原田マハ)

原田マハ著『あなたは、誰かの大切な人』(講談社)を読んだ。原田マハはラジオの朗読(NHK「ラジオ文芸館」)で知った。その朗読作品は「無用の人」だった。「無用の人」が入っているのが、この『あなたは、誰かの大切な人』。6編の短編が所収されている。最初の1編「最後の伝言」からぐっと引き寄せられた。美容師をしてきた母の死と「髪結いの亭主」である父との話で、ラストの葬儀の場面での越路吹雪の「ラストダンスは私に」が流れ、絶妙だった。そして真ん中にある「無用の人」はアメリカの抽象表現主義の画家、マーク・ロスコーの絵をはさんでの父と娘の物語。最後の「皿の上の孤独」はメキシコの建築家、ルイス・バラカンの「ルイス・バラカン邸」と関わっての男と女の物語。今年、私はイタリア(シシリア)に行く予定だが、この話を読んで、次はメキシコに決まりだ!原田マハは美術館の元キューレーターだそうで、どれもてとても心にしみいる、すてきな作品だった。作品は父と娘の関係、さらに男と女の関係をよくとらえていて、それ以上に「男」が描けているのに感銘を受けた。女性作家で男を描ける作家はめずらしいのではないか?次に『モダン』(文藝春秋)を買った。続けて、読んで見ようと思う。
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