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2021年03月23日07:04

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「蟬しぐれ」

「蟬しぐれ」は、いわずと知れた藤沢周平さんの
傑作中の傑作時代小説である。

先週の土曜日の夜、
NHKBSで全編を一挙再放映した。

この小説は江戸時代の地方藩で起きた
お家騒動を題材にしている。

物語の中で、いわれのない疑いで死罪を申しつけられた
主人公の父親が最後の面会の場面で
「父はなにも恥じることはしていない。
だからお前は自分を恥じてはならない」と言葉を掛ける。

昨今の接待疑惑の官僚、政治家の中で何人が
「自分は恥じることしていない」と胸をはって
自分のこどもたちにいえるだろうか。

武家時代の官僚は一歩間違えると
死罪になりかねない緊張感の中で職務についていたのだ。

いま日本の政界を揺るがしている官僚体制は、
じつは室町時代に基礎ができ、
江戸時代に完成したとされている。

明治政府はこの武家の官僚体制を
そっくり引き継いだにすぎないとされており
大正、昭和、平成そして令和へとつづいている。

だから、現代になって日本の近代の始まりは明治ではなく、
室町から江戸時代に始まっていたと指摘する歴史家が増えてきた。

令和の今、恥ずかしいばかりの官僚が
なんと増えたことだろうか。

「蟬しぐれ」は江戸時代と比較すると
現代の官僚の緊張感と仕事への意識の低さに
改めて気付かされた。

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