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日記一覧

ジャカルタ・メソッド
2022年07月30日17:23

この本『ジャカルタ・メソッド』は今年の年末に振り返ると、「今年読んだ中で最も印象的な本」になりそうな予感がする。(正確には、ヴィンセント・べヴィンス、竹田円訳『ジャカルタ・メソッド 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺戦略』(河出書房新

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表題はともに、邦訳が出て読んだ本の題に由来する。先週末の三連休に読んだエリオット・ヒギンズ、安原和見訳『べリングキャット』の原著者は1979年生まれのイギリス人。原著タイトルWE ARE BELLINGCAT中のbellingcatとは、「怖い猫が来ればすぐ分かるよう、

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重信房子への痛烈な批判
2022年07月19日22:35

文藝春秋8月号で、田原牧「『私党』重信房子と日本赤軍」を読んだ。一言でいえば、日本赤軍は重信個人の「私」党だったと。恐らくは天性の「人たらし」の資質・行動と、たまたま事態が転んでそこ(ロッド空港乱射事件の時期のパレスチナ)に居合わせただけの

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読了した順に、1 太田昌秀『沖縄のこころ―沖縄戦と私―』2 笹原宏之『訓読みの話』3 エリオット・ヒンギス、安原和見訳『べリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く』1 著者の太田昌秀・元沖縄県知事は、太平洋戦争末期、日本陸軍沖縄守備

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宗教と権力と
2022年07月18日15:32

『べリングキャット』という、情報力で大国の諜報機関をも凌ぐようになったネットオタク集団の本を読みながら、スマホでは安倍晋三元首相の銃撃死と統一教会のことに目が行く。オウムや日本会議が草の根レベルの運動だったのに対し、統一教会は、当時の東アジ

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大田昌秀元沖縄県知事の本を読みながら、ヤマトンチュとして不明を恥じる。「鉄血勤皇隊」は有名なひめゆり部隊の男子版。太平洋戦争末期の沖縄で、全ての中等学校の男子生徒の大部分が陸軍沖縄守備隊の命令で、少年兵として徴用された。大田昌秀さんはその1

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『プーチンの野望』
2022年07月09日18:04

この佐藤優の近刊(概ね過去の文章を再編集したもの)から、なるほどと思えた箇所を引くと――。ロシアのような大国・強国の動向を分析予測するには、「権力の内在的論理」に通暁した人物の発言や著述に特に留意する必要がある。ロシアのブルブリスはそんな人

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『沖縄のことを聞かせてくだい』は著者・宮沢和史(「かずし」かと思っていたが、「かずふみ」が正しいと奥書で知る)による、沖縄関係者10人へのインタビュー集+エッセイ。500ページ弱。 ミュージシャンである著者は1966年、山梨県生まれ。1992年発表の大

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(昨日は安倍晋三元首相の射殺という大きな事件があったが、それは措いて…)この間に読了した順に挙げると――1 山本義隆『福島の原発事故をめぐって』(2011年8月刊)2 宮沢和史『沖縄のことを聞かせてください』(2022年5月刊)3 佐藤優『プーチンの

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筒井清忠氏によると、「バスに乗り遅れるな」は、昭和10年代の近衛新体制、大政翼賛会の時代の同調主義圧力を象徴し、日本の大衆社会性を代表する言葉だった。太平洋戦争直前の日本政府・陸海統帥部の最終判断の根拠も煎じ詰めれば「ドイツという勝ち馬に乗

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満州事変から日中戦争へと戦線が拡大すると、1938年には近衛文麿内閣が「東亜新秩序声明」を発表し、日本政府として初めてアジア重視を第一の外交方針とした。これは「明治以来の対米英関係重視の方針から決別する」ことを意味した。1927年以降、二大政党制(

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筒井清忠氏は、昭和10年代の日本を動かした陸軍中堅幕僚として、辻政信に焦点を当てている。辻は1902年に石川県の貧しい農家に生まれたが、成績優秀で陸軍幼年学校から士官学校まで首席。さらにエリートになるために入学した陸軍大学校は3番で卒業。成績は

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筒井清忠氏によると、(昭和初期の)都会で「立身出世」を夢みた青年が挫折したとき、故郷の農村で出会った都会的・合理的なものを超克しようとする行者的リーダーに率いられた土俗的宗教団と運動に出会う――こうした現象は当時の日本社会に遍在化しており、

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5 筒井清忠氏は、「『大正デモクラシー』の時代から『昭和軍国主義』の時代へという変化がなぜ起こったのか」という深刻で重要な問題について、我々はまだ納得のいく回答を得ていない、として次の2つの問題に取り組んでいる。 第一は、大正デモクラシー期

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4 筒井清忠氏によると、大正時代は「大衆の登場が始まった時代」。その大衆の登場が現れたのは、明治末期1905年の日比谷焼き打ち事件だった。その後の1928年の普通選挙実施までの大きな事件・事態の背後には、日比谷焼き打ち事件で登場した大衆とマスメディ

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筒井清忠『天皇・コロナ・ポピュリズム』から印象に残る箇所を引くと――。1 筒井氏によると、近衛文麿・木戸幸一・原田熊雄という、学習院中等科で1907年に知り合った昭和前期の宮中グループの中心メンバーは皆、時代思潮の平等主義に惹かれた。当時多くの

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読了、読みかけ、未読...
2022年07月02日14:05

週5日働いているから、読書時間が取れず、未読や読みかじりの本が増える。(毎日休みは心もとないので、週2、3日労働でやれればいいのだが、と時々思う)しばらく積読のままのは別に、手元に積み上げた最近読んだ/読みかけた/近いうちに読みたい本を挙げ

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3カ月前に在宅勤務から毎日仕事に出かけるようになり、駅までの路上で見かける光景で気になるのが、登校する小学生の被る帽子の色が「グレー」であることだ。NHK「チコちゃんに叱られる」で、「小学生の登下校時の帽子はなぜ黄色が多いのか」がクイズの質問

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