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2022年07月03日11:52

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昭和史に学ぶ(3):「大正デモクラシー」から「昭和の超国家主義」へ

5 筒井清忠氏は、「『大正デモクラシー』の時代から『昭和軍国主義』の時代へという変化がなぜ起こったのか」という深刻で重要な問題について、我々はまだ納得のいく回答を得ていない、として次の2つの問題に取り組んでいる。
 第一は、大正デモクラシー期から昭和一桁期における、超国家主義者たちの問題。
 第二は、昭和10年代の日本を日中戦争から太平洋戦争へと突き動かした陸軍幕僚層の問題。
 第一の問題に戦後いち早く先鞭をつけた丸山眞男だが、丸山には明治の国家主義から昭和の超国家主義への移行は「連続的なもの」として捉えられ、こうした見方は現在も残存しているようだが、その後の久野収・鶴見俊輔、さらに橋川文三の問題提起は画期となった。丸山には注目されなかった前近代と近代を画す地点に、北一輝や大川周明らの近代的自我・個人主義的思想の目覚めがあった。彼らは井上日召や橘孝三郎も含めて、忠君愛国といった明治的・伝統的な国家主義に盛り込み切れない生、ないし自我の問題を抱えていた。
 大正末から昭和初期にかけて日本社会に危機が襲ったときに、伝統的な国家主義者らの書いた忠君愛国的な書物はすでに古臭く、危機感を抱いた人々には受け付けられなかったが、そうした精神状況に北一輝らは訴えるものがあった。(一例として、1932年の血盟団事件で三井合名理事長団琢磨を射殺した、菱沼五郎の事例が描かれている)
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