人間とは「忘れる存在」でもある。未曽有の自然災害・事故である２０１１年３月１１日に発生した東日本大震災と福島第１原子力発電所の事故も、昨日で丸６年を経た。この間新たな災害や事故が次々と発生するこの国で、あの未曽有の大災害・事故でさえその記憶

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以上は、高橋氏の見た「在りし三島由紀夫」。以下は、実際にはなかった「在らまほしかりし三島由紀夫」。１　肉体的劣等感、存在感の稀薄を肯定することによって力とする、見て語ることに徹する存在。三島が嫌った、作中人物でいえば『禁色』の檜俊輔や『豊饒

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１　高橋氏によると、三島は自分の死の本当の意味をあかす生々しい資料を残している。死の年の忙しいスケジュールを割いて、自らモデルとなり篠山紀信に「男の死」という写真を撮らせていた。高橋氏が見せられたその中の１枚は、法被・半股引・白足袋姿の一心

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１　高橋睦郎氏は、精神科医でも心理学者でもないが、三島とその晩年６年間を身近で接した実感から、また自身で存在感の希薄さの点で似ているとも考えていることから、三島は終生、肉体的劣等感、存在感の希薄さにさいなまれていたと考えている。ボディビルで

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１．高橋睦郎『在りし、在らまほしかりし三島由紀夫』（平凡社）は、昨年の三島の命日に初版第１刷発行。詩人の高橋氏は１９３７年１２月の生まれでもう７９歳になる。１９２５年１月生まれの三島よりほぼ１３歳年下だった。２．三島を含む日本近代文学の研究

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