表題の両者に関係はなく、ともに最近読んだ本の表題。すでに図書館に返却した『グリム兄弟』は、Jack Zipesジャック・ザイプスという、執筆当時、フロリダのゲインズビルにある大学の教授をしていた学者の本の日本語訳。兄弟の生誕200年前後のブームの頃の
しばらく前のこと。どこにも書いていなかったので、いま書くことに。ある時、オーブン機能を兼ねる電子レンジの丸皿(ターンテーブル)を外に出そうとして、手を滑らせてしまった。凄い音がした。フローリングの床に落ちたその皿は、ばらばら、粉々に砕け散っ
昨夜、本屋の棚で、ある本の背表紙を見て、目を奪われた。二つの名前がスラッシュを挟んで続いていたのだ。吉本隆明と僕の同級生が対談し、本になっていたのだ。僕自身、二十歳前後に傾倒した、「戦後最大の思想家」という人もいる、あの吉本と対談していたの
メリル・ストリープがアカデミー主演女優賞を受賞した同名の映画は見ていないまま、何となく気になっていた。その映画の原作の日本語訳の半分、つまり文庫本で二分冊の上巻を読み終えた。第二次世界大戦終結から2年後の1947年。アメリカ南部出身で大学を
先日、テレビで、その日の朝、九州で獲れた魚を提供する東京の居酒屋が紹介されていた。○○水産だったか、居酒屋チェーンを展開するある会社は、九州宮崎の漁港から沖に出る漁船に社員を乗り込ませ、朝獲れた魚を、市場を介さず直で東京に空輸し、夜には店で
平野敬和『丸山眞男と橋川文三 「戦後思想」への問い』(教育評論社、2014)を最初から8割ほど読んだ。書名には二人の名が併記されているが、この本のページ数の大部分は丸山論が占めている。その中で、僕にとって最も刺激的だったのが、丸山自身の広島
宮嶋繁明『日本浪漫派の精神』(弦書房、2014年)を読んだ。この本、思想史家・橋川文三が三十代半ばでデビュー作を書き上げるまでの半生の、初の本格的な伝記を読んで、なぜか「橋川さん」と呼びたくなった。有名人や歴史上の人物を呼び捨てにするのと違
必要があって、検査一つだけの健康診断を受けたら、請求が1万円を超えたのでガックリ。健康保険が効かないとはいえ…。何年も前だが、主要数科目の健診で診断書を書いてもらい、5千円ほどだったと記憶する。今回は、内訳が、初診料、検査料と診断書。昔、健
政治家の靖国参拝をめぐって中国や韓国から批判されるのは、極東国際軍事裁判(東京裁判)におけるA級戦犯が合祀されているためである。戦勝国が敗戦国の指導者や軍人を裁判に掛けたのは、東京裁判に先立って行われた、同じく敗戦国ドイツでのニュルンベルク
木佐芳男『とは何か 清算されなかったドイツの過去』(中公新書、2001)を読んだ。日本では、森元首相や安倍首相、麻生副首相など、その言動が時として近隣諸国をはじめ国際的に波紋を広げるのに対し、同じ第二次大戦の敗戦国ドイツは、国としても、リー