薄闇である。
現実味が薄れていく。
そして、凍てつきひび割れて。
【なれのはて】
M君の話。
親戚に農家があって、とても古い家だった。
そこの鴨居によくお爺さんが乗っかって下を見下ろしていた。
ぼろぼろの身なりで、蓬髪気味で小さな垢じみた感じの人だった。
喋ったり声を発しているのを見たことがないけれど、いつもにこにこしていて、目が合うと笑いかけてくれる人だった。
それで、その人を怖いと思ったことはなかったが、その家の人には視えていないようだった。
母の実家なので、一度そのことを母に話したが、誰にも喋るな、とだけ言われた。
あれは、成れの果てなんだ、とも言っていたが細かいことは教えてくれなかった。
親戚の家にも随分と行っていないし、家も建て替えたようだが、あの人はまだいるのかな、と気にはなっている。
以上、本日の怪談である。
うーむ。
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