昨夜、本屋の棚で、ある本の背表紙を見て、目を奪われた。二つの名前がスラッシュを挟んで続いていたのだ。
吉本隆明と僕の同級生が対談し、本になっていたのだ。
僕自身、二十歳前後に傾倒した、「戦後最大の思想家」という人もいる、あの吉本と対談していたのは、中学・高校時代の同級・同期生、高岡健(たかおかけん)。精神科医で岐阜大学医学部の准教授。数年前に会ったとき、彼は「学長に嫌われているから教授になれない」と言っていた。また、彼の専門が「『心の精神医学』であり、いま全盛を極める『脳の精神医学』ではない」ことも、教授選考プロセスに影響したという。
早速、購入したその本は、『時代病』(ウェイツ、2005)。
高岡は何冊も精神医学の本を書いていて、その一部は僕も読んでいた。彼自身、「自分の新刊が茂木健一郎の本より売れていた時はうれしかった」と話していた。単に僕がこの本を知らなかっただけで、「今さら何を言ってるの」と言われるかもしれない。
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