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日記一覧

金成隆一著『ルポ・トランプ王国/もう一つのアメリカを行く』(岩波文庫)を読んだ。朝日新聞のニューヨーク特派員である著者が昨年のアメリカ大統領選挙期間中に五大湖周辺の5州の通称「ラストベルト」(さびついた工業地帯)を中心に、なぜこの地帯の人々

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一ノ瀬俊也著『旅順と南京/日中五十年戦争の起源』(文春文庫)を読んだ。この本は以前から持っていたのだが、読めていなかった。前々回に読んだ『南京事件を調査せよ』(清水潔)の参考文献に出ていたので、取り出して読んだ。日清戦争時の兵士の日記『征清

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「世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」(ファイト・ヘルマー)を見た。やんちゃな4歳児たちが騒動を巻き起こすドイツ映画だった。一風変わった高齢者たちが厄介払いで老人ホームに入れられてしまい、遊び相手を奪われた子供たちが彼らを救い出そうと、

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写真:島田興生、文:羽生田有紀『ふるさとにかえりたい/リミヨおばあちゃんとヒバクの島』(子どもの未来社)を読んだ。4日から5日は広島で、「ひろしまとふくしまを結ぶ」をテーマにした「3・11から6年、いま広島と出会い直す」というシンポジウムに

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清水潔著『「南京事件」を調査せよ』(文藝春秋社)を読んだ。この本を知ったのは、「週刊現代」の「リレー読書日記」の堀川惠子さんの書評だった。同書を書店で手に取っていたのだが、「トンデモ本?」と思ってしまい、買わなかった。堀川さんの書評で真摯な

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井口武夫著『開戦神話/対米通告を遅らせたのは誰か』(中公文庫)を読んだ。この本は加藤陽子著『戦争まで/歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版)で知った。アメリカへの開戦通告がなぜ遅れたか、遅らせたのはだれかを究明した実に興味深い本だった。

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「サバイバルファミリー」(矢口史靖)を見た。矢口監督の「ウオーターボーイズ」「スイングガールズ」「WOOD JOB」は見てきたので、今度の映画はおもしろいと予測したが、当たりだった。小日向文世・深津絵里(お母さん役!)ががんばっている。とても私はサ

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エマニュエル・トッド、佐藤優著『トランプは世界をどう変えるか?/「デモクラシー」の逆襲』(朝日新書)を読んだ。前半のエマニュエル・トッドへのインタビュー(「民主主義がトランプを選んだ」)が大変鋭く、興味深い。「自由貿易がこの選挙で中心的な課

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朴一著『在日マネー戦争』(講談社+α文庫)を読んだ。戦後、大阪・猪飼野を舞台に繰り広げられた、在日金融機関の設立と再編成をめぐってのマネー戦争が旧「大阪興銀」を起こした李煕健を中心に躍動的に描かれる。在日コリアンが日本の金融機関から排除され

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「スノーデン」(オリバー・ストーン)を見た。米国国家安全保障局(NSA)による大量の情報監視を暴露した元CIA職員のスノーデンの行動とその思いを描いた劇映画だった。国家によるコンピュータによる監視によって、全て人々のプライバシーが侵されてい

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 国谷裕子著「キャスターという仕事」(岩波新書)を読んだ。昨年度末に報道番組のキャスターの降板(テレビ朝日「報道ステーション」メーンキャスターの古舘伊知郎、TBS「NEWS23」アンカーの岸井成格、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子キャ

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菅富士夫著「手塚治虫と戦災孤児」(中井書店)を読んだ。大阪に於ける戦災孤児関係の本で、手塚治虫と空襲・戦争体験及び戦災孤児への関心・作品への反映を検討した本だった。大阪における戦災孤児については「大阪における敗戦後の浮浪児・孤児と全国孤児調

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佐高信・浜矩子著『どアホノミクスの正体』(講談社+α新書)を読んだ。経済学者の浜矩子さんと政治評論家の佐高信さんが、アベノミクスと安倍政権の政治、トランプアメリカ大統領の誕生とアメリカの政治状況を分析した本だ。私は浜さんの経済学の本は読み続

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 丁章著『在日詩集 詩碑』(新幹社)を読んだ。丁さんの第3詩集以来12年ぶりの詩集(第4詩集)である。丁さんの詩は静かに心の染みこんでくる。ここに収められた33篇の詩のなかでも最後の方の「虎になりたかった猫」がとってもいい。路地裏に生まれ育

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本庄豊著『戦争孤児/「駅の子」たちの思い』(新日本出版)を読んだ。ある関心があって、何冊かの「戦災孤児」関係の本を読み次ぐ予定だ。図書館のリストで昨年出版されたこの本を見つけた。戦災孤児に関する著者の取り組みについては、NHKのテレビ番組で見

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「沈黙(サイレンス)」(マーティン・スコセッシ)を見た。遠藤周作原作の『沈黙』は1971年に篠田正治によって映画化(遠藤周作との共同脚本、丹波哲郎・岩下志麻・岡田英次・戸浦六宏等出演)されているが、マーティン・スコセッシが映画化するというの

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津野海太郎著『読書と日本人』(岩波新書)を読んだ。「読書と日本人」というテーマは大変興味深い。「本はひとりで黙って読む。自発的に、たいていは自分の部屋で」を「読書」と名づけてきた、このスタイルはいつ頃生まれたのかをその淵源まで遡り、室町期の

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「風櫃の少年」(ホウ・シャオシェン)を見た。ホウ・シャオシェンの初期作品(1983年)である。台湾の離島・膨湖島の漁村で育った不良少年たちが、都会である高雄に出て行き、青春の不安定な「生」を彷徨する青春映画の秀作である。台湾映画の特集上映で

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「台湾新電影(ニュー・シネマ)時代」(シエ・チエリン)を見た。1980年代初頭に、ホウ・シャオシェン(侯考賢)、エドワード・ヤン(楊徳晶)らによって開始された台湾ニューシネマを現在の視点から検証したドキュメンタリーだった。台湾ニューシネマに

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大きめの仕事が終わったので、気晴らしに「バイオハザード ザ・ファイナル」(ポール・W・S・アンダーソン)を見た。アンダーソンの「バイオハザード」シリーズも第6作目で、最終回だ。私はゲーム好きではないが、このシリーズは1、2回は除いてだいたい見

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今年最初に読んだ本です。加藤陽子著『戦争まで/歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版)を読んだ。日本が直面した戦前期の3つの大きな選択選択/リットン報告書・日独伊三国同盟・太平洋戦争開戦前の日米交渉をめぐって、なぜより良き道を選べなかった

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 あけましておめでとうございます。今年はじめて映画です。「むかしmattoの町があった(第一部、第二部)」(マルコ・トゥルコ)見た。「Matto」とは精神病院のことです。昨年暮れの新聞記事の紹介で、イタリアでの精神病院廃止までの過程を描いたドラマ(イ

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