恐怖である。
位置を少しずつずらす。
積み重なり、逃げ続ける。
【風邪の夜】
Sさんの話。
風邪で夜中に咳き込んで目を覚ますことがある。
熱のある無しに関わらず、身体が動かないことが多い。
げほげほと酷い咳をするが、ぼんやりしてしまって感覚がどこか朧である。
そして、いつも、崩れた日本髪を結った女が、ゲラゲラ笑いながら口に手を突っ込んでいるのか見える。
喉の辺りを何か触っているような。
意識がはっきりすると身体も動かせるし女も居なくなる。
怖いというより、単に嫌だ。
以上、本日の怪談である。
うーむ。
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