外殻である。
見えない月を見る。
草木は鋭く、濃い大気を感じる。
【招く手】
Sさんの話。
手招きする手を見た記憶がある。
何処なのだろう。
あまり具体的な記憶はないのだが、何か懐かしい気持ちにさせる農家のような土壁の古い家屋。
土間に続く入り口はぽっかり開いていて、外は夏の日差しなのに中は隅を落としたように暗い。
そこから白い手が一本突き出されていて、こちらを手招きしている。
手のひらをだらんと下げて、手首だけでゆっくりと。
その時、行ったのかどうか分からないが、その記憶がとても怖いものだということも同時に思い出す。
以上、本日の怪談である。
うーむ。
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