獄葬である。
ゆっくりと値踏みするように前を過ぎていく。
ここに埋められるのか。
【罰】
Hさんの話。
祖父から聞いた。
或る時、近隣のある家が音を立てて倒壊したという。
地震も何もなく、また、特に古い家と云うわけでもなかった。
家にはその家の主婦が居た。
大変運良く、下敷きにならないで助かっていた。
同じ頃、その家の息子は運転していた車で事故に遭った。
急にハンドルが効かなくなったのだ、と云う。
廃車になるほどの事故であったが運良く本人はかすり傷だけであった。
その家のご主人たは勤務先でふとした偶然から会社の倉庫に閉じ込められ、そこで一晩過ごした。
携帯などない時代であるから誰にも連絡取れず、また非常用のボタンをわざわざ押す勇気も無かった。
そして、翌る日、墓地にあるその家の墓石だけが倒れて粉々になっていた。
その後、その家の人達はそれをきっかけに散り散りとなり、いろんな場所に去ってしまった。
この不運の説明を、特に誰がしたわけでもない。
しかし、神罰である、と皆が口を揃えて言っていた。
祖父も、さもあらん、と感じた。
どうしてなの、と訊いても教えてくれなかった。
以上、本日の怪談である。
うーむ。
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