托卵である。
指先が痺れる。
色もだんだんと薄く。
【呼ぶ声】
Tさんの話。
仕事中に具合が悪くなり、早退した日のこと。
家の近くの静かな路地に入ったところで、おーい、と呼んでいる声が聞こえた。
するとさらに気分が悪くなり立っていられなくなった。
その声は今までずっと聞こえていたような気もする。
覚えのない、年配の男の声。
しゃがんで俯いていると足音が近づいて来た。
さらに気分が悪くなる。
目を瞑って耐えた。
足音の主は自分に声を掛けることもなく歩み去った。
直ぐに足音は遠ざかり、気分も普通に戻った。
その道の先にある自宅に帰った時、家人もいないのにどういう訳かドアが開け放たれていたという。
以上、本日の怪談である。
うーむ。
ログインしてコメントを確認・投稿する