mixiユーザー(id:7131895)

2023年02月26日14:20

40 view

「カーニバル戦争」としてのアジア太平洋戦争3

『日本のカーニバル戦争』では続いて、「兵隊」と「映画スター」に焦点が当てられる。ここでの「兵隊」は戦場ではなく、銃後にいる。つまり戦場から戻ってきた「帰還兵」ないし復員兵、恐らく元の英語では「veterans」だろう。描かれているのは、かつての日清・日露の戦争や、日中戦争でも初期の「英雄」として凱旋した帰還兵ではなく、本来なら銃後に戻るべきではなかったような、あるいはその現実に失望したり、馴染めなかったり、戦場や兵士に対する無理解や疎ましそうな視線に悩んでいるような者たちである。

「映画スター」の章の結論をいえば、政府は「映画法」という法律を制定したり、検閲制度を設けたりして、映画、スター、国民を統制しようとしたしたが、最終的には成功しなかった。政府が何をしようと、国民は自分たちの好みでスターを選んだから。

この章で特にウチヤマ氏が焦点を当てるのが、女優「水戸光子」だが、僕はその名前には昔からなじみがあったが、顔がはっきりとは浮かばなかった。他に名前が挙がる原節子や轟夕起子、三宅邦子、山田五十鈴なら、ありありと顔が浮かぶのに。Wikiったら、水戸光子は戦争中がスターとしてのピークだった。ウチヤマ氏は研究者だから当然とはいえ、さすがに古い映画をよく見ている。(水戸光子は1945年に森川信と結婚して一時引退、まもなく離婚して復帰したが、その後は主役級ではなくなったようだ)。
4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年02月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728    

最近の日記