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2021年04月22日02:48

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『日本会議の研究』

菅野完『日本会議の研究』を読んだ。きっかけは、アウグスティヌス『告白』など読みかけの本はどれもすいすいとは進まないので、買ってあったが優先順位のかなり下にあったこの本に転じる気になったこと。5年前に出た本である。

日本会議については、安倍前首相をはじめ与党自民党の国会議員への影響力や、元号法制化運動の実績、憲法改正運動などを考慮すると、大手メディアの調査報道部門が手掛けているべきテーマだが、一介のサラリーマン上がりのフリーライターが最初にまとまった本を書いた功績は大きい。

資料・データを収集して読み、関係者に会って話を聞いたり、生長の家の集会に参加したり等々から得られる情報を解釈、分析し、推論するそのプロセスと結論には、(少なくとも僕のような右翼運動や保守論壇に詳しくない身には)ほぼ無理なく付いていけた。

論の展開は最後に、70年安保の時代の右翼・民族派学生運動における生長の家グループに起源を持つこの日本会議界隈の、政府首脳に近い人物らよりさらに奥に、「生長の家」創設者・谷口雅春の晩年に側近にいて、その後も陰の実力者であり続けているとみられるとして、「安東巌」という人物に迫っている。――この推断は正しいかもしれない。ただ根拠となる情報はあまりにも限られている。

この点はさておき、本の冒頭近くで指摘された日本会議運動の民主的な手続きや手法は、野党も国民も注目すべきだろう。(「草野の根」といっても本部の指令に従って)全国各地でイベントを催し、印刷物を配り、そのために動員をかけ、地方議会に働きかけて決議を行わせ、自民党本部や政府に行動を迫る。その組織力・事務処理運営能力は共産党や公明党並みで、共産党以外の野党や新左翼にはない特質だという。


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