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2021年04月10日00:32

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清帝国と「中華」

平野聡著・興亡の世界史『大清帝国と中華の混迷』を読んだ。去年の夏、宮崎滔天や孫文、辛亥革命について読んだのを皮切りに、蒋介石、毛沢東と中国共産党の革命、さかのぼって司馬遷、漢帝国、後漢滅亡後から唐を含め元=モンゴル帝国まで、さらには科挙や宦官などについて読んできたが、清朝の歴史についてまとまった本を読むのは初めて。

著者は歴史学科でなく法学部政治学科の出身で、この本の元には博士論文『清帝国とチベット問題』があるという。そうした履歴とどう関係しているのか明白ではないが、著者は、日本の東洋史学・中国学が漢人による漢字と儒学を柱として化外の民を蔑視する華夷(中華)思想に影響されてきたことを批判している。その際に拠って立つ柱となる思想家の代表が雍正帝、清の第5代皇帝である。雍正帝は『大義覚迷録』の問答によって、漢人に染み付いた華夷思想を徹底的に批判した上で、漢人とともに、出自である満州も、モンゴルも、チベットも対等かつ平等であると宣言した。

また、儒教でなくチベット仏教を信奉し、保護した。チベットの数々の壮麗な仏教寺院は、清朝の保護奨励によるところが大きいという。



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