mixiユーザー(id:24322169)

2017年05月19日13:22

121 view

book『小熊秀雄童話集』(小熊秀雄)

小熊秀雄著『小熊秀雄童話集』(創風社)読んだ。詩人小熊秀雄は詩以外に童話も書いている。著名なのは死後(戦後)出た絵本『焼かれた魚』だが、この『童話集』に収められた18作品はどれも想像力が豊かで、貧困と弱者を見つめ、抑圧に屈せず、抵抗の意思が強く表れていて、大変素晴らしい。私が付箋を入れたのは、「焼かれた魚」以外に「珠をなくした牛」「「たばこ好きな漁師」「青い小父さんと魚」「お月さまと馬賊」「緋牡丹姫」「三人の騎士」「マナイタに化けた話」「タタマネギになったお話」「トロちゃんと爪切姫」「ある夫婦牛の話」「ある手品師の話」だった。小熊の童話について、解説で詩人の木島始は「小熊秀雄が書いた童話十八編は、きわめて特異な訴える力を持っている。四〇年から五〇年も以前に書かれたものであるのに、読み出すとぐいぐい引っぱりこんで、ほとんど古さを感じさせない。(略)これらの小熊秀雄の童話は、じっさいドキリとするくらい新鮮だ。」小熊の童話集は生前あまり日の目を見なかったようだが、再度読んで見る値打ちがある。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する