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2017年05月15日08:15

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book『しろいろの街の、その骨の体温の』(村田沙耶香)

村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』(朝日新聞出版)読んだ。主人公である結佳の小学校4年から始まり、中学校2年で終わる現在の少女と少年たちの世界が描かれていた。この本のタイトル「しろいろの街の、その骨の体温の」はニュータウンの閉塞した世界を意味する。私は小学校と中学校の教員をしていたので、過去に接した彼女たちの閉塞していて、微妙な力関係が感覚で分かるので、最初その世界に入りやすかった。しかしその閉塞感は半端じゃないので途中読み進むのが停滞した。最後に結佳と伊吹の関係のなかにある種の「解放」が提示されるのが救いとなる結末だった。なお、この作品は書き下ろしで、三島由紀夫文学賞を受賞している。村田沙耶香の作品は3作目だが、注目しておこう。
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