滲燦である。息が詰まる。胸に粉がつっかえているような。【姿見】 Hさんの話。屋根裏部屋に大きな姿見がある。布をかけてあるが、時々行くとずれて落ちてしまっていることがある。その時に暗い屋根裏部屋の端に誰か佇んでいるのを、鏡越しに目にすることがあ
玄関の見廻りをするイティさん。閉まっている戸は開けるべき、が信念です。頭を撫でます。ひと鳴きして未知なる場所を求めて走って行きました。
華東である。何にもたいして心躍らず。息もか細く幽けき。【鐘】 Hさんの話。鐘を鳴らすような音が深夜に聞こえる。火事か、と思ったがそうでは無く、窓の外を空に登るように遠ざかって行った。他の家人には聞こえなかったようである。以上、本日の怪談である
玄関の見廻りをするイティさん。閉まっている戸は開けるべき、が信念です。頭を撫でます。ひと鳴きして未知なる場所を求めて走って行きました。
幽閉である。焼き尽くされる街を眺める。だんだん何も感じなくなっていく。【鹿】 Hさんの話。林の中で、鹿を見た。目があって動けずにいると、向こうも動かなかった。そして、いつの間にか居なくなっていた。その後、二、三日は頭痛が酷かった。以上、本日の
窓の外を眺めるチョビ子さん。鳥さんがそこそこ騒いでいましたね。気になるようです。頭を撫でます。視線は動かす。
黒衣である。空気が刻まれていく。視線の隅に泳がせておく魚。【整理】 Hさんの話。玄関の方から大勢ががやがやわさわさと騒いで喋りあっている声が聞こえた。え、お客が来てるのかなと思って見に行ってみると、お祖母さんが、古い靴をたくさん並べて、整理か
泰雨である。先が見えない夜が長く。人も何もかもが。【老人の声】 Hさんの話。家に居て、ふと耳が遠くなることがある。すると、家族では無い誰かの声が急に聞こえてくる。でも、とても訛っていて、何と言っているのかほぼ分からない。穏やかな声の場合もあれ
黒皮である。困惑が通り過ぎる。明日を避けたい。【おーい】 Hさんの話。山の裾野が広がった麓辺りに家がある。何故か、集落のはずれの方にあって、家に来る目的以外で道を来るものはいない。これは鋳物工場をしているからだ。時々、夜中に山の方から、おーい
階段下を眺めるイティさん。特に珍しい風景では無いはずですが。何かいるのかな?頭を撫でます。こちらを一瞥して下へ降りて行きました。
捻痛である。離れ小島の隅に転がされる。噛み、引きちぎられて。【家では平気】 Hさんの話。兎に角古い家だからだと思うが、夜にトイレなどに行こうとすると色々すれ違う。廊下の隅に立ってる人や、窓から覗く顔。慣れはしないが、特に何かをして来るわけでも
大人しいチョビ子さん。昼間は主に寝そべってました。でも、部屋から居なくなると寂しがって追いかけてきます。頭を撫でます。
道慈である。何も考えず。今をやり過ごして眠る。【土間】 Hさんの話。実家はそこそこ古い家だった。土間や竃の跡もある。土間の上にぺたぺたと音がして裸足の濡れた足跡が勝手に出来ていくのを何度も見た。以上、本日の怪談である。うーむ。
舐手である。集まってくる。なすがままに。【干物】 Hさんの話。よく1人で留守番をさせられた。そういう時は、あまり自分の部屋からは出なかった。他の部屋に行くと、何かが追いかけてくるからだ。それは、何と表現すればいいのか。蛸か何かの干物のように見
無機である。穴をほじくり返す。とても耐えられない。【咳】 Sさんの話。深夜に目が覚めると、自分が猛烈に咳き込んでいた。咳に混じって、ぶつぶつと囁くような声が聞こえた。何を言っているかはわからない。妙にはっきりと聞こえた。以上、本日の怪談である
おすまししてるチョビ子さん。頭を撫でます。近寄ってお鼻とお鼻をくっつけてみました。特に嫌がらずぐるるるると。頭も撫でます。
木目である。語りかけてくる、そして睨みつけてくる。対話を試みる。【鼻面先に】 Sさんの話。何故そんなところにいたのかは、よく思い出せない。ある空き家に入った時のこと。入ってすぐ、よくない感じがして引き返そうと振り返る。目の前の鼻面先に、誰かの