佳境である。音も無く崩れていく。ただそれを眺めるだけ。【足跡】 Hさんの話。朝目覚めると雨が降っていた。顔を洗おうと襖を開けると廊下の板の間が濡れている。裸足の足跡が自分の部屋の前まで続いていた。辿ると玄関の方から来ている、が鍵は掛かっていた
炬燵の中で優雅に過ごすイティさん。のんびりゆっくりしてますね。背中を撫でます。ほかほかのお裾分けを頂きました。
夜会である。透き通った空気を進む。さっきまでの地獄を想う。【脇道の先】 Hさんの話。山に行くと、街道に抜ける途中に古い脇道がある。ほとんど獣道のような感じだ。そこを進むと、より鬱蒼としてくる。その先に朽ちかけた小さな社がある。其処には近寄れた
最近忘れてたようです。イティさん。久しぶりに肩に乗ってきました。ニコニコしてますね。チョビ子さんが少し羨ましそうです。両方の頭を撫でます。
苦渋である。じんかんはきつい。いやなことばかりである。【重い夜】 Hさんの話。寝ていると不意に体が重くなった。人が、というより大きなものが全身に覆い被さるようであった。目が開かない。息も苦しい。どんどん重くなる。暫くすると、ふっと嘘のように重
炬燵を捲るとイティさんでした。ちょっと!捲らないでよ!!と目を細めます。軽く文句鳴き。足の先を指で撫でます。ごめんねー。
欠牙である。落ち着いて周りを見渡す。数えながら家路を辿る。【年寄りばかり三、四人】 Hさんの話。時々騒がしい空室が実家にある。誰かが喋っている声だと思う。年寄りばかりが三、四人。明けでも誰もいないことはわかっているので確かめはしない。妙に楽し
今朝のチョビ子さんはちょこんとしてました。雨降ってたからガッカリだったのかな?でも窓を開けるとやってきて熱心に見てました。頭を撫でます。ふわふわほかほか。
箱死である。鈍く光るもの、あれは誰かの顔か。恨みを運ぶ何者か。【いる】 Hさんの話。通っていた小学校は、そこそこ古い校舎だった。移動教室の時など、或いはただ廊下を通っただけの時。空いている教室を覗くと、ぽつりと座ってる子をよく見た。男の子も女
朝からキリッとしてるチョビ子さん。朝方に枕元にやってきて盛んに撫でてほしい様子でした。ニャーと猫さんらしく鳴いてました。撫でて撫でてずっと撫でて。満足したように去っていきました。するとこのような顔に。
葬列である。滑るように前を行く。そこだけ昔に向かって進んでいるように。【夜道で】 Hさんの話。夜道で呼び止められた。女性の声だった。近所で、誰か知り合いかと振り返る。誰も居なかった。空き家と、その隣に、この間までその家の人が拝んでいた神様が祀
イティさんとウィコさん。ご飯に付き合ってくれるようです。お裾分けはないはずですが何か期待した目をしてますね。そのままだと私のご飯が置けませんね。頭を撫でて降りて、とお願いします。取り敢えず、却下です。
鬼界である。闇を走り去る。このまま何処までも。【戯れる】 Hさんの話。ある旅館でのこと。夜に散歩に出たら近くを流れる川辺に火の玉がたくさん浮遊していた。それぞれ拳ほどの大きさで、戯れ合うように蠢いていた。あれはきっと子供の魂に違いない、と思っ
お膝の上のウィコさん。ウィコさんは前からですがとても軽い猫さんです。今日も軽い。だからなのか、ウィコさんが乗ってると時々泣きたい気持ちになります。頭をいっぱい撫でます。
カーペットに寝転がっていたらウィコさんが添い寝してくれました。時々カリカリを食べてます。食べるとまた戻ってきました。頭を撫でます。
春星である。逃げていくように流れている。意識はどんどん外に漏れていく。【偶にのこと】 Hさんの話。寒さで目を覚ました。体が動かない。黒い影のようなシルエットが見える。多分女が自分の上に馬乗りになっている。そこで意識を失った。朝起きるとなんとも
少し警戒してますね。撫でる時の静電気が気になってるようです。他のものに触って散らしてから頭を撫でます。そのあと大欠伸。ご飯の用意しますね。
山精である。撫でるように光が走る。まだ少し待たねばならない。【霧の家】 Hさんの話。墓地の側に住んでいる友人がいた。或る夜に近くを通りかかると、墓地から濃い霧のようなものが彼の住むアパートに向かって伸びているのが見えた。直ぐに霧が建物を覆って
まるまると朝の窓辺を楽しむチョビ子さん。お外を見たりごろごろしたり忙しいようです。ご飯まだ?とこちらをチラ見。はいはい。用意して戻るとイティさんも隣で網戸に張り付いていました。破っちゃだめだよー
凍光である。よろよろとあちらこちらへ。どこに向かっているのかわからなくなる。【極力泊まらない】 Hさんの話。その家の布団が苦手である。親戚の家で、家自体も家族も好きなのだが、布団が良くない。泊まることになってどの布団に寝ても必ず隣に見えない誰
今朝の窓辺獲得はイティさん、鳥さんを追いかけて見てますね。ぽかぽかしてて気持ち良い朝。頭を撫でます。ご飯はまだ?とひと鳴き。
紫雲である。空気は湿り不穏に暖かい。冷たい雨が混ざり合う。【どんと】 Hさんの話。ある古い屋敷でのこと。納戸で片付けを手伝っていた。黒い何かが降ってきてどんと床に落ちた。目をやるとそこには何もなかった。そんなことが二、三度あった。以上、本日の
窓辺のウィコさん。早くから段ボールの上で開くのを待ってたようです。頭を撫でます。今日もふわふわしてました。ご飯の用意をしてきますね。
黄衣である。映った自分に囲まれる。白い光に照らされて弱っていく。【試しの時】 Hさんの話。一人でいる時、不意に何か物音がしたり、机の上のものが見ていないところで落ちたりする。時には自分に話しかける声が聞こえることも。長い間のことで色々と織り込
窓辺で小首を傾げるチョビ子さん。何を見ているのでしょうか。頭を撫でるとほかほかり。大きくお口を開けて欠伸しました。つられそう。
魔像である。近い空を眺める。我々の無限性など不可知である。【頭の声】 Hさんの話。子供の頃にどうにも怖かったこと。一人で家にいる時に、誰かに話しかけられることだった。頭の中にびりびりと鳴り響くような声だった。怒り出す前のおじいさんのような感じ
何かを期待して待つイティさん。ん?何かな?ニャッ!とジャンプしてベッドに飛び乗りお隣で箱座り。おやおやと頭を撫でます。そんな日曜日。
凶街である。滑るように通り過ぎていく。猶予のあるうちに済ませておく。【噛まれる】 Hさんの話。夢で蛇が出てきて、身動きできない自分の体を這い、腕を噛まれた。ほんとに痛くて目が覚めた。腕を見ると赤い湿疹のような点が二つ腕にあり、暫く痛かったと云
玄関で待ち構えてたイティさん。晴れた午前中の玄関はぽかぽかしているので好きなようです。頭を撫でます。出掛けるので出てもらい、ボールを投げて追いかけてる隙に戸を閉めようとしました。が、ほいっと投げたボールがイティさんの頭に!あ、ごめんね、ち近
凶光である。零れ落ちる音楽が手の隙間から漏れるように転がった。誰も得をしないような、押し黙った午後。【命日】 Hさんの話。祖母は、嫁いできた時から舅と折り合いが悪かった。そのせいか、舅の命日に仏壇に供物をしない。祖母が供えると、いつの間にか仏