終夜である。群れを感じる。彼方にも此方にも。【ふふふ】 K君の話。『ふふふ』と笑う女性の声が時々聞こえる。比較的、若い声だと思う。ちょうど、部屋のすぐ外くらい、襖の向こうとかその辺にいる感じで。小さな頃から気がついていたが、あまり詮索したこと
浮浪である。ちくちくと奥から刺してくる。一日中そんな痛みが止まず。【泥の足跡】 K君の話。先日のこと。買い物に行って家の玄関前まで前まで泥のゴム長靴のような足跡が続いていた。水分も乾かず、ついさっきの足跡に見えた。だが、玄関内は綺麗で、家人に
朝のチョビ子さん。夜遅くまでうろうろしてましたね。寝床が空くのを待っていたのかな?背中を撫でます。眠そうに噛む真似をしました。
灼熱である。験は朝から現れる。思いもよらず。【自転車】 K君の話。夕方に帰宅すると、停めてあった自転車から音が聞こえた。スタンドは後輪を浮かせるタイプのものであったが、ペダルが動き後輪が勢いよく回っている。何となく見ないようにして家に入った。
お見送りのイティさん。何やら吠えてます。名残惜しいのか最近はいつもこんな感じ。少し余裕があるので座って頭を撫でます。ゆっくりゆっくりとを閉めます。行ってきますね。
虚構である。忘れ去る日々。只、後悔を重ねる。【人形が時々】 K君の話。時々、だが、玄関の前に人形が捨ててあることがある。大体がぼろぼろの人形で、子供のおもちゃのソフトビニール製のものだったり、こけしのような人形だったりさまざまだ。母がいつもお
胸に乗って顔を覗き込むチョビ子さん。最近はなかなかおとなしめ。平和な感じです。頭を撫でます。うっとりと目を閉じてますね。
黒穴である。暫くは動くことも出来ない。小さな鼓動を繰り返す。【児童館】 K君の話。児童館と呼ばれる建物があって叔父の仕事の関係で出入りする事がある。其処に行った晩は、胸の上に誰か乗ってくる。小さな子供のような重み。時にはそれが二、三人。部屋を
ウィコさんは2階の戸の仕切りを跨いで、こんな風に寛ぐのが好きです。近寄って頭を撫でます。良いお返事、明日は遊びましょう。
荒波である。風は冷たく、早朝より。揺られて騒めく。【叩く音】 K君の話。隣の家で通夜があった時のこと。家の雨戸を一晩中叩いている音が聞こえた。それは動き回り、2階の壁や雨戸を含めて、叩かれ音が止まなかったそうである。以上、本日の怪談である。う
朝、ご飯を早めに切り上げて寛ぐイティさん。隣に座るとお膝の上でぐるぐる言ってました。色々たくさん撫でます。行ってきますね。
海嘯である。闇の塊が押し寄せる。常世の鳥が囀り埋め尽くす。【立つ人】 K君の話。深夜、廊下の端に誰か立っている。灯りをわざわざ点けるのも煩わしく、無視する。あとでもう一度通ると居なくなっていた。以上、本日の怪談である。うーむ。
藍闇である。目の前に広がる深い広い穴。今も吸い込まれ続け、落下し続ける。【脈動】 K君の話。玄関先で物凄い勢いで大きな鳥が何かが頭を掠めて去っていった。が、それは壁や屋根の内がある方角だったのに、ぶつかった音もしなければ、見えもしない。ただ自
寝床にごわごわタオルを敷くとチョビ子さんがやって来ました。やっと空いた、というお顔。背中を撫でます。ふわふわしてました。では行ってきますね。
砂牢である。枝垂れ柳のように暗い腕たちを伸ばす。手掴みで吸い取られている。【誑かされて】 K君の話。山道を歩いていて、ふと気持ち悪さを感じた。すると、昼間なのに赤松の林の中が、暗く暗くなっていく。ほぼ真っ暗になると奥の方に赤く光る何かが見えた
寝床にごわごわタオルを敷くとチョビ子さんがやって来ました。やっと空いた、というお顔。背中を撫でます。ふわふわしてました。では行ってきますね。
削虚である。ニヤけている野郎と嘘ばかりだ。真っ二つに何度でもする。【叫び声】 K君の話。山の裏手に工場がある。夜にその辺に行くと中から悲鳴がするというので、よく肝試しなどに使われる。一回行ったが、闇が密に積もったような工場内には入れなかった。
箱に隠れて見送ろうとするイティさん。暖かようです。ぬるりと出てきたので背中を撫でます。箱も中に置いてあげました。行ってきますね。
退魔である。待っている人ばかり座っている。遠くの灯りに皆目を奪われて。【山小屋】 K君の話。近くの山に、朽ちた山小屋がある。少し林のある斜面に入った辺りに。倒れてはいないが今にも倒れそうだ。其処を過ぎると、少しの間体に力が入らないような感覚に
寂夜である。道を歩き街を見る。囚われ洗われ美しいまま其処にあった。【線香】 K君の話。用事があって、家族全員で出掛けた日。帰宅すると線香の匂いがした。仏間に行くと、線香立てに一本、今さっき点けた線香が立っていたという。以上、本日の怪談である。
黒水である。閉ざされた部屋に行く。暫くは出れなかった。【立つ人】 K君の話。時々、深夜に目が覚めて、暗い一階に降りた時。廊下の奥や部屋の隅に人が立っている。動かず俯いて何もせずに立っている。すぐに消えるが、結構怖い。以上、本日の怪談である。う
去就である。空いた席に向かう。そうして無意識に穴に落ちるのだ。【呼び声】 K君の話。名前を呼ばれておきる。が、誰も居ない。そのような気がしただけか、それとも夢か。何度もあることで、いつも同じ声だ。声の記憶はある。男性とも女性とも判じ難い声。何
お見送りしながらすりすりするイティさん。近くに座って撫でます。さすります。朝はの窓辺で既にほかほかしてますね。帰ったらまた遊びましょ。