イティさんは静かにお見送りしてくれました。寒そうだからあったかくしてください。頭を撫でます。すりすり撫で撫でして出掛けます。
保留である。置いたまま立ち去る。吐く息が震える。【ブレーキ音】 K君の話。深夜。外から断続的な自転車のブレーキの音が聞こえてきた。段々近づくに従って、それは女性の叫び声だということがわかった。そのまま家の前を通り過ぎて行ってしまった。海の方へ
イティさん。自分の椅子と決めた椅子に陣取ってます。とりませんよ。頭を撫でます。短く鳴いてお返事。行ってきますね。
泥人である。重くどろどろと歩いている。周りに泥濘を作りながら。【束】 K君の話。仏間から夜中に苦しげな声がよく聞こえた。老婆のような声。仏間に寝ている家人はいない。そんなに怖くない、明るい昼間に仏間に行って色々調べた。仏壇の下に付いている引き
ウィコさん。お皿の上で過ごすのが最近は好きな様子。斜めに此方を見てお見送り。柔らかな背中を撫でます。晩御飯までごゆっくり。
ウィコさん。お皿の上で過ごすのが最近は好きな様子。斜めに此方を見てお見送り。柔らかな背中を撫でます。晩御飯までごゆっくり。
土竜である。溶岩が熱く煮えたぎる。構うものかと狼が吠える。【暗い夢】 K君の話。暗い穴に落ちていく夢を見る。もうどうなってもいいという暗い気持ちで満たされる。誰もここには居ないという思いが圧になって、心が上から押しつぶされるような気がしている
優雅に座るイティさん。最近はこの椅子に座るとお膝に乗って来るのですが、自分の席だからどいてよ、たかってるような気もしてきました。頭を撫でます。
不安である。見えるものは段々霞んでいく。日を跨ぎ溜まる鬱屈。【水音】 K君の話。夜中にすぐ近くからのちゃぷりと水音を聞くことがある。これは昔から聞こえている。そして場所を選ばす、友人宅に泊まった時や、修学旅行の時に聞いたこともある。家でなく、
お出掛けを察知して目を見開くチョビ子さん。傍に座って背中を撫でます。控えめにすりすりしてました。箱座りして落ち着きました。行ってきますね。
失楽である。明るい夜空。昔の音が空気を虚しく震わせる。【空】 K君の話。ふっと頭上を影が刺した。開けた田舎道で、雲もない。上を何か薄暗い色の付いた空気の厚い膜のようなものが動いている、ように見える。どのくらいの高さにあるのか。とても巨大で形も
歪音である。視界もぐにゃぐにゃになっていくでであろう。紐のような細く長く緩い溜息。【写真】 K君の話。誰がそうしたのかわからない。或る日、近所の家の幾つかて、玄関先に釘で打ち付けられた写真が見つかった。同じ若い女性で、それぞれ違う写真だった。
階段の上ですれ違うイティさんとウィコさん。ご飯を食べて、あと晴れだからかウキウキしてますね。みんなでお見送りしてくれました。頭を撫でます。
諦波である。遠くで光るものをぼんやりと眺める。誰かもこうしているのだろうか。【自転車】 K君の話。子供の頃、夏の夕方に遊びから帰る途中のこと。山裾に沿った道を歩いていると、山に向かう道から何か音がしてそちらを向いた。誰も乗っていない自転車がこ
イティさんは寛ぎ、ウィコさんはご飯。なかやかのんびりと朝を過ごしてくれてますね。暑そうだからお水を多めに取り替えました。頭を撫でます。行ってきますね。
泥夜である。何も成さず垂れ込める暗雲を背に逃げる。胸の奥の溜息が行き場を失う。【朝の海辺】 K君の話。朝方、海辺から上がってきて消えてしまう。そういうものを何度か見た。そのせいか、朝は海辺には行かない。以上、本日の怪談である。うーむ。
ウィコさん。尻尾を伸ばして階段の下を伺ってます。尻尾の先を指先で撫でます。やや抗議するように鳴いてお返事。ごめんねーとも一度頭を撫でて、ご飯の支度をします。
辛辣である。五行の夜の道。もののけ達の声に耳を傾ける。【やって来る】 K君の話。家の前に立ち、向こうの角から誰かやってくるのを待っている。そんな夢を時々見る。ゆっくりゆっくり此方にやって来ようとしてるが細かいところはよく見えない。手拭いを頭に
水槽である。ぼんやりと景色が歪み。時間だけがのろのろと過ぎて行く。【壁の顔】 K君の話。本を読んでいて寝落ちし、深夜に目覚めると自分の向いていた壁に顔があった。目が合ってしまっている。男なのか女なのかよくわからない顔であった。とにかく此方をず
ウィコさんの上にイティさん。何となく落ち着かないウィコさん。仲良くして下さい。ご飯の支度に行くとイティさんも着いてきました。頭を撫でます。
皺手である。紫が主張する。あとはそこに向かって進むのみ。【夕餉】 K君の話。夕食の時、弟の後ろで何か蠢いていた。残像か何かのように弟に重なって女性が見える。弟は昼間外出していたがよくない場所に行ったのだろう、と思った。時々、弟から抜け出すよう
食べようかどうか迷っているイティさん。グルメが発動してますね。美味しいよ〜とそばにしゃがんで背中を撫でます。取り敢えず一口。
冷木である。何もしはしない。何処にも還元されない。【声だけが】 K君の話。海沿いにある空き家は比較的新しい。空き家なのだが、その家の裏手を通ると、ちょうどトイレと思しきあたりから人の声が聞こえる。怒っているような老人のような声。おそらく男だが
鶴砂である。鐘の音が鳴る。長く鳴っている。【肩を】 K君の話。通った小学校には肩を叩かれても振り向いてはいけない、という話が流布していた。実は何回か、無人の廊下で肩を叩かれた。微かに、本当に微かな含み笑いも聞こえた。決して振り返らなかったそう
のびーてるチョビ子さん。朝からなかなか動きが軽妙でした。ふかふかした背中を撫でます。ご飯を食べに向かった模様。行ってきますね。