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2022年12月02日01:18

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「金長神社」と阿波タヌキ伝説

四国の東岸、ふるさと徳島県小松島市の金長(きんちょう)神社は先月、社殿改築のための上棟式が行われた。今は改築工事の真っただ中である(建設費のクラウドファンディングは現在も募集中)。古くなって解体された旧社殿は1956(昭和31)年、タヌキ映画がヒットしたことに感謝した大映・永田雅一社長らの小松島市への寄付がきっかけとなって建設された。神社の玉垣には、その頃の日本を代表する映画スターだった長谷川一夫や京マチ子の名も見える。彼らはそのタヌキ映画に出ていたのだ。

今では話題になることもないが、タヌキ映画は昭和10年代から30年代にかけて数十本製作、上映された。実はタヌキ映画の先駆けとしては1939(昭和14)年、京都の新興キネマ(大映の前身の一つ)で作られた『阿波狸合戦』があり、永田雅一はこの時に京都撮影所の所長だった。この映画のヒットで、新興キネマは傾きかけた経営を立て直したという。

さて、先ごろ読んだ森脇佳代子「阿波狸合戦と小松島」という論考は、「なぜ神社でタヌキを祀るのか?」という疑問に直接には答えなくとも、多くの関連する事柄を教えてくれる。この論考によると、タヌキをめぐる伝説や物語は、時間軸に沿って次のような形を取りつつ展開されてきた。
1 江戸後期(恐らく。それ以前は詳細不明):写本(『近頃古狸伝説』など)
2 明治:講談・講談速記本(神田伯龍など)
3 大正〜昭和初頭:民話(複数の本が刊行)
4 昭和初期〜中期:映画(『阿波狸合戦』など多数)
5 平成以降:
A アニメ映画(『平成狸合戦ぽんぽこ』など)
B 小説(『有頂天家族』など)
C 漫画(『姫さま狸の皮算用』など)


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