mixiユーザー(id:7131895)

2022年01月30日19:14

62 view

労働運動と、経済学批判と...

昨日までに読了したのが、
1 著者・松崎明、聞き手・宮崎学『松崎明 秘録』(2008年初版)と
2 カトリーン・マルサル著、高橋璃子訳『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』(2021年11月初版)

1の松崎明(1936-2010年)は、旧国鉄の動労ではカリスマ的な指導力で知られ、動労委員長やJR東労組会長を務めた肩書はいかめしいが、本の語り口も内容もフランクでざっくばらんだ。これは聞き手(併せて松崎の著書や文章などからの多くの引用と補足説明)が、「キツネ目の男」に擬せられたり、『近代ヤクザ肯定論』などを著した宮崎学氏によるところが大きいだろう(松崎には一水会の鈴木邦男との共著もある)。
 松崎は著書を読んで傾倒した黒田寛一に近づき、黒田らと立ち上げた革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派=革共同革マル派)のナンバー2となったが、当初メンバー数人の中で労働者は松崎だけ。他は全て学生上がり(学生崩れ)の職業革命家を自認する者たちだった。
 革マル派には共産党と違って入党届も離党届もなかったが、かなり早い時期、例えば1960年の三池炭鉱争議の頃でも、労働現場や労働問題・運動を知らない指導部、専従革命家には違和感を抱き、現場では指導に従わなかったという。自分はあくまで労働運動の指導者であり、黒田寛一の革命理論・思想は尊敬したが、政治主義的指導が「労働者の生活と利益」を第一とする自分の考える労働運動にはそぐわなかった。また国労や総評などの指導者がいわゆる「ダラ幹」となって幹部としての特権的生活に溺れ、組合内・労働運動内で出世して国会議員として「上がり」になるようなあり方を批判してきたという。あくまで何が現場労働者のためになるのか、という大前提に常に立ち返るしかないのだと。

松崎は「日本で企業の枠を超えた労働者の横断的な組織を作ろうとしなかった共産党や社会党の責任は大きい」と指摘、批判している。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年01月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     

最近の日記