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2022年01月16日01:06

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医療過誤と「患者の権利」

表題の内容をめぐる、去年12月26日の東京新聞の記事に付箋を貼って取っておいた。医療過誤は僕にとって、幸い今まで当事者でもなく、近親者にも経験した者はいないが、世の中では常に発生している問題だから。記事によると、医療事故被害者や家族でつくる「医療過誤原告の会」が発足して30年になるという。

そもそも日本には「医療事故」による死者数の統計はないが、過去に厚生労働省の研究班が一度だけ全国18病院のカルテを無作為抽出し、その発生頻度を調査、試算したところ、入院患者の「672分の1」が事故で亡くなっていた。少ないとはいえない数である。これを全国の入院患者数に当てはめると、年間2万人余になるという。日本での1年間の交通事故死者よりはるかに多く、コロナでの死者よりやや多い。自殺と同じくらいか。専門家は「日本では遺族に説明されない事故がかなりあるのではないか」と指摘する。

2015年に始まった医療事故調査制度では、患者の予期せぬ死亡があった場合、医療事故調査・研究センターに報告し、原因究明の「院内調査」を行うことが法的な義務になった。だが、調査を始めるか否かの判断は医療機関側に限られている。医師の自律性を勧告した世界医師会マドリード宣言に基づくという。

その趣旨の現実化に向けた医師らの動きは鈍い中で、この制度を根付かせるため「制度に前向きな医療機関には診療報酬を加算するなど、制度の価値を国として認めては」という専門家の提案もある。また、安全な医療を受ける「患者の権利法」を含む「医療基本法」制定を訴える弁護士らの活動もある。――この法制定には賛成したい。
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