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2021年12月31日21:10

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4つの歴史:遊廓、西域、西部、満州(上)

最近読んだ本:
1 田中優子『遊廓と日本人』
2 中村清次『シルクロード 流沙に消えた西域三十六か国』
3 東理夫『アメリカのありふれた町で』
4 手塚孝典『幻の村―哀史・満蒙開拓』

田中優子『遊廓と日本人』は、カバーの表にある通り「江戸学の第一人者による『遊廓入門』の決定版!」だろう。「遊廓は二度とこの世に出現すべきではなく、作ることができない場所であり制度である」(カバーの裏表紙側)。まず何より遊廓で働く遊女たちは「親などが背負った多額の借金を返済するために働かされた」ということ。――それはかつてあったが、二度とあってはならないと。ただ同時に、江戸の吉原をはじめとする遊廓は、四季折々の伝統行事や祭りなどの文化を外部の一般社会以上に行うことで、文化の一翼を担う場所・社会でもあった。

『シルクロード…』の著者・中村清次氏はNHKの元ディレクターで、「シルクロード」取材班団長を務めた。その後はカルチャーセンターなどでシルクロードについて講師を務めている。この本で扱われるのは、ヨーロッパに至る長大なシルクロードの中でも中国寄りの現在の新疆ウイグル地区とほぼ重なる。その中にいくつもの都市や国がかつて栄え、そして滅び、消え去った。なお、ヘディンが主張した「さまよえる湖」は存在しなかった、というのが科学的調査・研究の結果として明らかなようだ。(続く)
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