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2021年12月05日00:37

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朝ドラは日本女性の「矛盾の集約」

図書館から借りた『連続テレビ小説読本』(洋泉社MOOK、2014年10月発行)を読んでみた。現在放映中の「カムカムヴリバディ」は1961年の第1作「娘と私」から数えて105作目だが、発行当時放映中だった第90作「花子とアン」まで紹介さている。

仮に執筆者に、ともに今年亡くなった瀬戸内寂聴や半藤一利、映画評論家の佐藤忠男でもいたら「何と言うだろろう」と妄想したくなるが、実際の執筆陣と比べて超大物すぎて、別の本になってしまう。

発行時点までの90作のうち、表紙にタイトルが載る作品は、”朝ドラを変えた”として「カーネーション」と「ちりとてちん」、および”21世紀の重要作”として「あまちゃん」「ゲゲゲの女房」「ちゅらさん」の計5作品のみである。
ーーこれらは話題になり、自分でもけっこう観たが、その選択が妥当なのか判断できるほど他の諸作品を十分に観てはいない。だが世評が高くなく、自分も見ていなくても、紹介文を読んだだけで「へー、そんな意欲的なことをやっていたんだ」という作もある。

総じてテレビドラマウォッチャー的な女優論、俳優論が多く、やや高級な井戸端会議の観もあるが、脚本家や漫画家や舞台俳優の世界観が「朝ドラをどう見るか」の枠を広げてくれる。

書き手ないしインタビューの受け手の中で一人だけ印象的な人を挙げると、脚本家の町山智浩。同氏は次のように言う。

<観てたけど記憶に残ってない。ヒロインの目的がはっきりしないドラマが多かったからだと思う。その最大の理由は、朝ドラ自体が大きな矛盾を抱えているからだよ。(中略)ターゲットは子どもや夫を送り出したあと、家にいる専業主婦なんだもん。彼女たちを肯定するように作るしかないでしょ。でも、ヒロインに目指すべき夢がないとドラマにならない…>
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