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2017年05月03日18:24

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三木清の人生と人生論

4月29日の朝日のTVレビューコラム「TVがぶり寄り」が取り上げたのは、Eテレの「100分de名著」で4月に放送した三木清「人生論ノート」。ザッピングしながらだったが、じっくり観た回もあった。

このコラムのライター・和田静香は、末尾で「TVを見てこんなに『感動』したことはない」と言う。

僕自身はニュースなどと交互に観たので、そこまで真剣に受け止める、ないしそのような判断を下せるほどには観なかった。

司会の伊集院光によると「番組始まって以来の難解さ」だったが、解説役の哲学者・岸見一郎、島津有理子アナとの3人で「今の日常に合わせて語り、(中略)面白かった。芯に哲学がある会話って、聞いているだけで充実し、満ち足りた気持ちになれる」とこのライターは言う。

僕は昔、教養書の一つとして読んだ、いや読みかけたが、それほど大きなものを受け止めなかった。今回、この番組で、書かれた時期が昭和13〜16年という翼賛体制が強まる時代であり、自由にものが言えない時代ゆえに「敢えて難解に書かれた」と知った。昔、読もうとした当時の解説にも書かれていたのかもしれないが、覚えていなかった。

難解な書き方を強いる状況の中で、三木清がこの本で言っているのは、「幸福を追求し、希望を持って生きよ」という当たり前なことだった、と。

しかし三木は、治安維持法で追われた友人をかくまい、逮捕され、獄中で死んだ。1945年9月、すでに戦争は終わっていたのに、まだ釈放されていなかったのだ。

この番組とコラムの影響で、昨日買った本の中に「人生論ノート」がある。
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