返却前の本:
1 原田信男『歴史のなかの米と肉 食物と天皇・差別』(平凡社ライブラリー、2005。最初は同社から選書として1993年刊)
2 『たべもの起源事典』(東京堂、2003)
1は、仏教の教えの影響で、日本人が千年以上も自らに(基本的には)肉食を禁じてきたという常識を超えて、そこに「天皇制と差別」という軸を導入することで、他の東アジア・東南アジアでは問題なく共存してきた「米と肉」が、日本特殊的に長い間、対立構造にあった由来と、各時代に特有な事情(読みながら付箋を貼ったが、引用している時間がない)とに光を当てたアカデミックな意欲的著作。
専門の日本史研究者によるコメントが予想外に少なかったというが、小泉八雲賞を受賞し、文庫になっているのだから、読書界では定評を得ているのだろう。
2は、ハードカバー横書き、2段組500頁余り。飛ばし読みだが、知らない食べ物もたくさん収録されていた。すべての物に歴史がある!
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