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2017年02月18日21:12

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神道特集

現代思想2月臨時増刊号 「神道を考える」を一応通読。感想・印象を一言でいうと、専門が異なる4人の研究者の座談会の題「歴史としての神道」が集約している。一般にあるとみられる、アニミズムや祖先崇拝などの素朴な信仰vs近代の国家神道から戦時中の狂信的イデオロギー的皇国史観というイメージに対して、研究者間では、古代、中世神道(神道家が自説の典拠となるべき古典を自ら捏造した偽書が多数ある)、宣長や篤胤の近世、明治維新後の祭祀としての国家神道と神社神道、戦後と、各時代に異なる神道があるというのが共通認識。

吉本隆明の共同幻想論・南島論を論じた文章の最後の段落には、「日本の権力構成の根底には、神道儀礼があり、南島儀礼があり、海民がおり、山岳民がおり、(中略)神道儀礼は、さまざまな断片を含みつつも相当に重要なその一平面・一プラトーである」とある。

折口信夫は国文学や民俗学のみならず神道学においても巨大な存在だが、その説はいろいろな点で異端、反主流派だった。例えば、「神道」という語の由来、つまり古代中国文献での由来および古代日本での神道なるものの位置付けが怪しげなものだったという説をはじめ、大嘗会を巡る説、近代の国家神道に対する立場、戦後の神社本庁との関わりや「世界宗教としての神道」説など。よく國學院の教授でいられたものだと、有力な論者の1人も感心している。



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