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2024年01月02日22:48

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ニュートン、裕次郎、野良着

最近読んだ本(順不同):

しばらく前は、この正月休みに読む「大きな本」として、近代科学史上の記念碑的著作であるニュートンの『プリンキピア』(オリジナルのラテン語は無理なので、英語訳か日本語訳)にすべきか否か迷っていたが、入門書である
(1)和田純夫『プリンキピアを読む』(講談社ブルーバックス)を読んで断念した。翻訳であれ『プリンキピア』のオリジナルにかじりつくには、「ニュートンの時代の天文学や数学の状況」という専門的な科学史の知識が前提となるから。その前提から準備の勉強をするほどの情熱はなかった。そこで、手元にあるそれほど「大きくない」本を複数読むことにした。

ただ物理・数学分野では、まだ最初の方を読みかじっただけのものを除いて、
(2)山本義隆『少数と対数の発見』(日本評論社)の前半の少数の発見については読んだ。「対数」については忘れているので、やはり入門書的な勉強が必要と思い、中断。

(3)小谷ひろ之(「ひろ」はサンズイに「王」)『中島敦の朝鮮と南洋』(岩波書店)
(4)高島正憲『賃金の日本史』(吉川弘文館)
(5)青木美希「地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」』(講談社現代新書):東京電力福島第一原子力発電所の事故から6、7年後の避難者などを巡る困難な状況をリポートする。

(6)渡辺武信『日活アクションの華麗な世界 上 1954―1961』(未来社):著者は建築家、詩人、映画批評家。読んだのは前半の、著者がファンである石原裕次郎の出た作品評。アマゾンで芦川いづみの映画を40本余り観たが、裕次郎との共演も多かったので、内容に馴染みがあった。それにしてもタイトルの「華麗な」はダサい。詩人なのに。

(7)福井貞子『野良着』(法政大学出版局):長い間日本の人口の8割を農民が占めていたことから、日本全体では対象が大きすぎるため、1932年生まれの著者自身が育った鳥取県や、隣の島根県などの農作業着を主な対象としている。僕にはその姿勢が好もしく思えた。写真付きで紹介される野良着や農具の中には、著者の実母や祖父母から譲り受けたものもある。比較しては悪いが、著者と年齢の近い近接分野の別の女性研究者は、東京出身で女子大を出て研究者になったためか、福井さんと比べると、扱う対象の物や人物、民俗と常に「距離がある」気がしてしまう。

(8)上野英信『廃鉱譜』(筑摩書房)
(9)森崎和江『まっくら』(岩波文庫)
実は、今回挙げた本の中で、僕が最も強いインパクトを受けたのは、同じ筑豊の炭鉱を扱ったこの2冊だと思うが、いま書ききる気力がないので、別に譲る。
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