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2023年09月19日00:53

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地震、女優、「へんな子」

最近読んだ本(今回は読みかけの本も含む):

1 小沢彗一『南海トラフ地震の真実』(東京新聞)
2 『地震学』第3版(共立出版)
3 江馬修『羊の怒る時 関東大震災の三日間』(ちくま文庫)
4 『福田村事件』(公開中の映画『福田村事件』の公式パンフレット)
5 (前に読んだが、1と対照的に)尾池和夫『2038年 南海トラフの巨大地震』
6 『女優 若尾文子』(キネマ旬報社)
7 『ローレン・バコール 私一人』(山田宏一訳)
8 ノーマ・フィールド『へんな子じゃないもん』(みすず書房)
9 同上『祖母のくに』(同上)

1は、東京新聞を購読しているので、記事を通じて以前からこの本の要旨は知っていた。その要旨は本の冒頭に、以下のようにまとめられている。

<静岡県から九州沖にかけてマグニチュード8〜9級の巨大地震が30年以内に「70〜80%」の確率で発生するとされている南海トラフ地震。この数字を出すにあたり、政府や地震学者が別の地域では使われていない特別な計算式を使い、全国の地震と同じ基準で算出すると20%程度だった確率を「水増し」した>

――その経緯を実名入りで明らかにしたのがこの本。なぜそうなったかを煎じ詰めれば「巨額の金」である。元は税金である公金の使途としての「防災」名目費。防災は政治家にとって重要な課題だから、まだ科学として確立していない「地震予知」が可能と楽観的に考えた一部学者の説に、一部の政治家が飛びつき、科学的根拠が不確かなまま法制化され、予算処置が講じられた。これによって一部の地震学者が味をしめ、自治体などの関連行政側も同様に追随した。だが、阪神淡路大震災や東日本大震災によって、地震学者らは短期的なピンポイントの「地震予知」の不可能性と、自らの無能さを思い知り、看板を長期的な「地震予測」にかけ替えて延命した。「今後30年以内にAからBまでの範囲で80%の確率で巨大地震が起きる」というように。その際、南海トラフ地震だけは、例外的な扱いになったまま。

この「地震予測」の弊害として、南海トラフの対象地域以外の住民が、「うちは大丈夫」と安心してしまうことがある。実際、各地の被災者は「まさか九州の熊本で」「まさか北海道で」などとため息をつく。要するに「日本中、いつどこで地震が起きても不思議ではない」。

――ほかにも興味深いことが山ほどあるが…。



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