ラーゲリとトップガン

年末年始に観たのが、
１『ラーゲリより愛を込めて』（12月封切り）と、
２『トップガン マーヴェリック』（半年余り前に封切られてまだシネコンでやっている）。

『ラーゲリ・・』は感動的だった。第二次大戦後の日本人のソ連シベリアでの抑留体験を描いたノンフィクションに基づき、感動的に劇映画化している。ただ素直に「感動した」とは言い切れなかった。その理由を考えると、「ソ連側の視点がない、ほとんど感じられないから」かもしれない。

『トップガン マーヴェリック』は、1986年に大ヒットしてブームになった『トップガン』の、実に36年ぶりの続編（あの時は天邪鬼で観なかった）。とにかくカッコいい。全てが。マーヴェリック（一匹狼）役のトム・クルーズも。選ばれた存在であるトップガン（米海軍のエリート戦闘機パイロット）も。USネイビー（米海軍）も。そしてアメリカ合衆国も。――かっこいいからこそ、そう思うのがヤバい。まさに「覇権国家アメリカ万歳！」の極致のような映画だから。

「秘密裏に某国（北朝鮮か？）で建設中の最新鋭次世代装備・兵器を備える基地が完成する前に叩く！」という重大ミッションを遂行するトップガンチームの教官になったトム・クルーズが、結局「自分しかいない」と、自らその特別な任務を担って繰り広げる空中アクション・・。

――まさに「先制攻撃論」そのもの。この映画を観た人（アメリカ人はもとより日本人なども）は、「ならず者国家」への先制攻撃は当然！と思うだろう。