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2022年10月02日18:25

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「安倍最長政権 なぜ生まれた?」

表題は9月27日の東京新聞「論説委員が聞く」の2番目に大きい見出し。最大の見出しは「野党結集を阻む構造」で、竹内洋一論説委員が政治学者の境家史郎(さかいや・しろう)東大教授にインタビューしている。憲政史上最長の政権が生まれ、続いた同時代日本の現実を捉えておく必要がある、との思いから要約すると――。

6度にわたった国政選挙での連勝は、低投票率の中で固定票を獲得した「熱狂なき常勝」。2005年の郵政選挙では小泉首相が無党派層をつかんで大勝、2009年には同じ層を民主党が取って政権交代。安倍自民党は、伝統的に持つ団体票を押さえつつ、「無党派層を野党に投票させない」ことを重視した。安倍政権下の衆院選、参院選の投票率は50%前後、歴史的に見ても低水準で、「熱狂がないからこそ勝てた」。安倍政権は無党派層を活性化させない点で、小泉政権とは真逆。政権批判票の受け皿が分散したことに助けられた。

「憲法改正を執拗に訴えた戦術」も奏功した。憲法や集団的自衛権の行使容認といったイデオロギー的な問題(注:元記事の表現)が主要な争点だと、野党はまとまれない。安倍は改正への思いが強かったはずだが、「野党を結集させない」効果も分かっていた。

安倍は結果的に「非立憲主義化」を進めた。多くの憲法学者が違憲だという安保法を成立させ、世論調査でも違憲との回答が多かったが、数年後には減った。現実に慣れてしまい、9条の条文は変わらないのに自衛隊のできることが増える。今の日本では「憲法の死文化」が進んでいる。

「改革の時代」だった1990、2000年代は「改革」が争点だったので、民主党にイデオロギーの違う議員が共存でき、その勢いで政権交代が起きた。今は憲法問題を中心に保革が対立する「再イデオロギー化の時代」なので、野党はまとまれない。その政治構造も安倍の遺産。
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