『空の帝国 アメリカの20世紀』。本の半ばの第二次大戦終結までの章で一たん措くことにする。この本を読んで、太平洋戦争後半での日本全国への空襲や原爆投下、また火炎放射器等の容赦ない使用など、昔からイコールアメリカとして自明と思ってきたことがそうでないと知る。いわば「自明」に歴史があった。
実はアメリカは航空史上、さらに広く世界の歴史上のアイコンであるライト兄弟やリンドバーグの祖国であるにもかかわらず、飛行機の開発やその軍事利用に長い間にわたり消極的で、英・独・仏などに後れを取っていた。航空機の開発、またその軍事利用(早い話が空からの爆弾投下の軍事的有効性の発見とその実戦での活用)の技術は、第二次大戦の後半になって本格化したにすぎない、という歴史的事実について知った。組織面から言っても、アメリカ空軍が陸軍から独立したのは戦後になってからだが(これは前から知っていたが)、英独仏ではとっくに独立していた。
ログインしてコメントを確認・投稿する