関東では裸足だった

NHK「ごごナマ」の「青天を衝け」スペシャルで、主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮が「走るシーンが多い、それも裸足で走っていることがほとんど…」と渋沢栄一が埼玉の深谷にいた幕末の青年時代のシーンについて語っていた。
――思い出すのが、日本民俗学の祖・柳田國男が、播州（兵庫県）から少年の頃に取手に引っ越してきた時、「周りの人たちがみな裸足だったので驚いた」と回想していたこと（たぶん『故郷七十年』）。既に明治も半ばだったはずだが。

当時の草履も、わらじも、下駄も、全ての履物は性能が悪くて、すぐに切れたり、１日で履きつぶしたり、走るのは不可能だったりしたから、いっそのこと裸足の方がましだったのだろう。近いところでは、1960年のローマオリンピックのマラソンで、アベベは裸足で完走して優勝した