岩波新書『清水次郎長』読み始める。
その前に読了した荻野富士夫『思想検事』によると、戦前に左翼の大量転向という甚大な成果をあげ、戦時中の国家総動員体制の中でさらに強化された「思想検察」は、戦後の「公安検察」にほぼスムーズに移行した。戦時中の思想検察の幹部らが、戦後はそのまま公安検察や司法省の幹部として復活した。
その一因として、日本を占領したGHQが、悪名高い特高警察に目を奪われて、検察改革にほとんど手を付けなかったことがある。思想検察の幹部らは戦後になって、戦前の大量転向の成果を誇っても、自省の弁を述べることはなかったという。
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