不動塾事件

ふと思い出してウィキるとあった。簡単に言うと、戸塚ヨットスクール事件の規模を小さくしたようなもの。もう３０年余も昔のこと。ニューヨーク在住中に朝日新聞🗞国際衛星版で知った。不登校などの問題を抱えた青少年を親から預かって共同生活をすることで、立ち直らせるのが目的の塾の塾長が、逃亡しようとした１人の少年を、少年２人と共に深夜から朝まで暴行し続け、死亡させたのだ。これにより３人は逮捕された。

僕はその塾がまだ普通の学習塾だった頃、事件より６、７年前に１年間勤めた。ただ、その間に夏の合宿で事件の予兆のような光景を目撃したことがあった。僕はその体罰ないし暴行の場にいたのに、止められなかった。

塾長は合気道の有段者で、嗜虐的な傾向があり、その性癖は、体格も力も自分より劣り、性格も御しやすい少年に向かった。体重が100キロ以上もある少年には向かわなかった。

ウィキペディアで知ったが、塾長は事件から２年半後に東京高裁の判決で懲役３年の有罪が確定した。彼は博報堂の猛烈社員だったが辞めて、僕が勤めた頃には既に出家剃髪していた。法名を辨道と言ったが、「道を弁える」とは皮肉な名前だ。不動塾の名は仏教に由来するが、弱者への暴力、ましてや殺すとは、もちろん仏道に反している。

子どもを殺された親にとって、３年とは実に短い。