途中下車してフレンチレストランでディナー。店に入るなり、表題のメニューがないか尋ねたら、メニューにはあるが、予約してないため、コースメニューしか提供できず、今日のコースにこの料理はないという。
そこでメニューを開いて各種のコースメニューの中の肉料理が何か聞いたが、当然ながら、別の肉料理だった。やむなく、コースの中で値段が2番目に安いのを選んで、出されるままに食べた。
すると、最後のメインの肉料理に、予定のコースの肉料理ではなく、牛肉の赤ワインソース煮込みが出された。僕がしつこく聞いたから、シェフが今日はそのつもりはなかったが出す気になったらしい。と言っても、シェフは奥の方にちらっと見えるだけだが。
食べてみると、なんとかなり「苦い」! 想定の範囲外といって良いほど。もちろん食べられないほどではない。まあ、大人の味、というところかもしれない。
ーーそれにしても。先月食べたフレンチレストランでは、やや僕には甘すぎた。蜂蜜を入れているのだろうが、僕ならもう少し少なめに入れるだろう。ところが、今日の店のこの苦みは、どうやって出しているのだろう。コーヒーでも入れているのか?
2つのフレンチレストランのシェフは、共にフランス料理の世界に入って30年か40年くらい経っていそうに思われる。彼らに、その甘さや苦さについて直に質問したらムッとするだろう。「こうこうこういうシェフに付いて修業し、私は長年この味でやっています」と答えるだろう。
実を言うと、僕自身が求めていた牛肉の赤ワインソース煮込みの味は、具体的なモデルがあった。甘くもなく、苦くもないそれ、中庸の味は、某大手流通グループのプライベートブランドの「冷凍レトルト」だった!
ところが、その冷凍レトルト食品が不人気なのか、このところ店頭に並んでいないのだ、何度も行ってみたが。
求めていた「幻の味」が冷凍食品とは、なんとも皮肉な情けない話だ。
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