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2016年05月22日10:01

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『三島由紀夫全文献目録』

先日買った安藤武『三島由紀夫全文献目録』(夏目書房、2000)。450ページ余りのうち、先に目を通した2つ目の章「三島関係単行本」120ページほどに次いで、最初の「新聞・雑誌・他」260ページほどをめくり、目を通した。他に「書簡」「古書」と章立てられ、最後に年譜と後書きがある。著者は三島研究家の間では有名なのだろうが、ウィキっても載っておらず略歴等は不明。

帯には「没後これだけ語られた日本人が果たしていただろうか?」というキャッチに続いて、「三島由紀夫関係文献6000点以上を徹底網羅した決定版」とある。刊行が2000年12月なので、その後に出た本や文章は含まれないが、この本を買った本屋の三島本コーナーの棚には40冊余の三島論があった。

敢えて今の僕の三島への関心をいえば、その文学や天皇観よりも病跡学的ないし精神医学的関心に近い。パーソナリティー=実存の一ケースとしての三島。

「新聞・雑誌・他」の章の1行に、僕が30年余り前に書いた「三島由紀夫の絶対孤独について」(昭和59(1984)年2月)という1文の題が載っていた。その冊子もコピーや抜き刷りも手元になく(あるいは所在が分からず)、内容も詳細には覚えていない。

三島由紀夫がきっかけで日本文学の大学院に入ったが、三島で修士論文は書けなかった。その後も気持ちは三島から離れていったが、三島に対し自分なりの落とし前をつける必要を感じて、かろうじて搾り出した一文だった気がする。

「絶対孤独」という、今もあまり見かけない言葉については、この本でサッと目を通した他の三島論6000点の題には見なかった。「孤独・ニヒリズム・虚無・悪・美学…」等々は珍しくないが。ではこの「絶対孤独」という言葉の由来はというと、残念ながら覚えていない。単に自分でひねり出しただけでは説得力が弱いから、三島全集のどこかで見つけた言葉だったような気がするが。

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