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2016年02月14日10:34

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インテリジェンスの常識

返却前の本の1冊:
佐藤優『国家の謀略』(小学館、2007)
印象に残った箇所を引用、要約すると――

・(特に軍事的に)最強国であるアメリカには他国・他民族の内在的ロジックを捉えるインテリジェンス文化が育ちにくい(外交や諜報が失敗しても、最後は軍事力で勝てるから)。

・池田徳眞(1904−93)は日本の近代インテリジェンスの父ともいうべき存在。戦後はインテリジェンス業務からは距離を置いたが、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言説が日本弱体化の謀略宣伝であることを的確に見抜いていた。

・外交官カバーでない、度重なる警告を無視する工作員は殺してしまってもよいというのがインテリジェンスの世界の厳粛な「ゲームのルール」である。

・戦後、太平洋戦争で日本は情報戦に完敗したとの神話が定着したが、これは戦後、アメリカの情報操作工作が成功したから。日本陸軍の情報能力は総合力で互角、状況予測については部分的にアメリカを凌駕していた。

・イギリスがインテリジェンス最強国というのはこの業界での共通認識。むしろ、大英帝国の文化からインテリジェンスが生まれた。

・外交の世界では今でもテープやICレコーダーを置いて動かぬ証拠となる記録を取ることはない。あえて「言った、言わない」という水掛け論になってもどちらかが嘘をついたという決着がつかないようにするのが外交の知恵だから。

・筆者の経験則から言うと、ヒュミント(人的諜報)活動の6割がホテル(ホテル内のバー、レストランも含む)で行われる。

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