前の日記で引用した山田風太郎の戦時中の日記とは、まさに正反対の死生観を示す一文に遭遇した。
＜「玉砕で生き残るというのは卑怯ではなく、�狄祐岫瓩箸靴萄埜紊猟餽海任呂覆�ったか」という独白は、当時、誰も口に出せないが誰もが感じていた本音であったろう。＞（２０１６年１月３１日『朝日新聞』読書欄「ニュースの本棚」で、荒俣宏が、南太平洋ニューブリテン島で死地を彷徨い、奇跡的に生き残った水木しげるの言葉を引いた箇所）
奇しくも水木しげるは山田風太郎と同じ１９２２年生まれ（同年生まれに鶴見俊輔、橋川文三、中井英夫、瀬戸内寂聴、ドナルド・キーンなどがいる）。ただ水木と違って山田は徴兵検査で不合格、即日帰郷となって従軍しなかったこともあり、人生観・世界観がかなり観念的だったと言えるかもしれない。
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