mixiユーザー(id:7131895)

2015年10月04日16:24

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『虹色のトロツキー』

この妖しくも怪しいタイトルのコミックは以前から気になっていたが、読んではいなかった。mixiにコミュがあるものの、立ち上げからずっと休眠状態のもよう。

最近になってついに読もうと思い立ったが、最寄り駅近くの漫画喫茶に置いてないので、中公文庫コミック版全8巻を購入して読了した。

(著者の「安彦良和」氏については承知しておらず、先日まで思想史家の「安丸良夫」氏と正確に区別できていなかったほど。数年前まで、AKB48とAK47(カラシニコフ自動小銃)の関連性を疑っていたのと似ている。)

第8巻巻末の著者による「物語の終わりに」によれば、数多くの「満州もの」は、傾向として2色に大別できる。「悲劇と不正義を告発する被害者的視点からの一群」と、いわゆる「馬賊もの」も含む「活躍が主体のお楽しみ系列」。著者はその「どちらでもないもの」を描きたかった。「等身大の主人公に視点を置きながらも、『政治的満州を同時に見渡したかった』」。

主人公ウムボルトは日本軍人とモンゴル人女性との間の子供という設定。幼くして父を亡くし、抗日的モンゴル民族主義思想に惹かれながらも、亡き父と陸軍士官学校で同期だった満州事変の張本人・石原莞爾の特別の計らいで、「五族協和」の理想を掲げて満洲に創立された建国大学に入学する。その石原は対ソ連政策の戦術の一環として、スターリンとの権力闘争に敗れた永続革命主義者トロツキーを建国大学の講師として招聘しようとする。

――物語の突拍子もない前提であり、妖しいタイトルに反映されたこの部分の資料的由来については未読。


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