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2015年02月22日23:47

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冷戦、美食、博文、熊楠

最近読んだ本:

1 下斗米伸夫『アジア冷戦史』(中公新書、2004)

2 『食の政治学』(産経新聞出版、2005)
3 『探訪 日本の美味名産』(学習研究社、2003)
4 『世界地図から食の歴史を読む』(河出書房新社、2002)

5 伊藤之雄『伊藤博文 近代日本を創った男』(講談社、2009)
6 原田健一『南方熊楠 進化論・政治・性』(平凡社、2003)

1は東アジアの東西冷戦史を、「イデオロギー、地政学、核」をポイントに捉えなおした標準的な通史といえようか。

2〜4は薀蓄物。
2によれば、毛沢東は醤油嫌いで、自分の食べるものには一切醤油を使わせなかった。理由は、実家の醤油屋で醤油の甕の縁に蛆虫が湧いているのを見て、気味悪くなったのがトラウマになったのだという。毛沢東の出身地・湖南省は、四川と並んで激辛料理で有名という。妻の光青は上海(だったか)の出身で食べ物の好みも大きく異なり、別々の物を食べていたという。

3によれば、「江戸前」とは本来は隅田川と江戸城の間の湾、そこで獲れた魚だったが、江戸の人口増加による需要・消費増と、それに伴う生活排水などによる環境汚染であまり魚が獲れなくなり、やがて供給源が相模湾まで広がっても「江戸前」と言われた。
――「宇治茶」ブランドが、隣接する滋賀や奈良、兵庫産の物も含むのと似ているか。 

また讃岐(香川)でうどん食が発達したのは、米が十分に穫れず、農民が年貢米献上後の食糧不足を補うため、小麦を育てて自分たちで食べるようになったのが元だという。いかにもありそうな話だが。

5はハードカバー600頁の大冊。伊藤博文は人気はないが、サブタイトル「近代日本を創った男」に最もふさわしい人物だろう。

6は映像・音楽の製作・プロデューサーである著者が南方熊楠の残した資料調査に加わったことで得たものをまとめたもの。南方熊楠にこだわることは、世界、生命、自然、人間とは?といった哲学的思索を強いるのだと思う。
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