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2020年08月12日21:56

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渡辺龍策という人

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このところ、渡辺龍策(1903〜1988)という人にはまっている。中国近代史が専門。ウィキペディアに項目は立っていないが、その「大陸浪人」や「馬賊」という項目の内容の種本となる著作を残している。

きっかけは、宮崎滔天と孫文、辛亥革命、柳原白蓮といったあたりの本をめくっているうち、その関連で古本を買った『大陸浪人 明治ロマンチシズムの栄光と挫折』を読んだのが数日前。中国に通算で25年間住んだという経歴が気になっていた。

単なる研究者、学者ではなさそうな経歴に興味を覚えたのだが、昨日届いて一部を読んだ『馬賊夕陽に立つ 密偵・潜行・謀略の大地』は自伝的内容である。渡辺氏の中国との縁は、父親が清国から招聘され、袁世凱直隷総督の学事顧問になったことによる。渡辺氏と中国との切っても切れないつながりは、袁世凱にあやされた時の傷が、後々まで後遺症の残るけがとなったことに由来する。引用すると、

「肩に疼痛を覚えるたびに、これまた太鼓の音のように、私の研究心に鞭打ってくれるのである。」

太鼓について補足すると、袁世凱総督が公館を出る時は必ず号砲を打ち、太鼓を鳴らすのが習いで、渡辺氏はその鳴り響くのを聞いた幼い日々の経験がもとで、大人になっても無性に太鼓が好きなのだという。

ともかく、中国近代史を論じる時、渡辺氏は中国側権力者の極めて近くにいた当事者であり、また大陸浪人や馬賊についての著作も多く、それらは100年前後前に中国大陸に暮らした多くの日本人を巡る見聞によっている。
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