山之内靖(1933〜2014年)著『総力戦体制』(ちくま学芸文庫、2015年1月第一刷)を読んだ。本文庫版のために、新たに編集されたもの。
戦後の主流だったマルクス、ウェーバーを拠り所にした「反ファシズム・市民社会派」史観に代わり、皇国日本もナチスドイツもニューディールのアメリカも「戦争で勝つために挙国体制を構築した」点で共通しており、その体制が戦後にも保たれ、黄金の60年代の土台となった、とする立場に立つ。逆説的だが、戦時国家=福祉国家だった、と。
――これでは500ページを単純化しすぎで、著者や編者に叱られるか?
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